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税務・会計

第40回「経理の労働生産性」を上げる“減らす仕事”と“増やす仕事”

賢い社長の「経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」

 経理部門の業務時間の配分についてアンケートをとると、毎回、同じ結果になります。減らしたい時間が「事務作業」、増やしたい時間は「業績管理」「予算編成」。経理部門では日常の「事務作業」に時間がかかっている。本来するべき「業績管理」や「予算編成」ができていない。アンケートからは、このことがわかります。
 毎月の労働時間は決まっています。限られた時間のなかで、いかに効率的に働き、成果を上げるか。会社も社員も真剣に考えなくてはなりません。
 そこで今回は、「経理部門の労働生産性を上げるために“減らす仕事”と“増やす仕事”」を3つのポイントでお伝えします。業務時間の配分を見直しながら、経理の能力開発を促していきましょう。

御社の経理社員は、事務作業に毎月どのぐらい時間を使っていますか?

 


①ペーパーレス化して「経理事務」の時間を減らす

 まず最初に、「経理事務」の時間を減らしていきます。
 経費精算、現金出納、支払い管理、売り上げ回収管理、会計処理、帳簿書類整理等の経理事務の時間を減らすには、これまでの紙ベースの仕事を変えていきます。
 2022(令和4)年から改正された「電子帳簿保存法」を活用するのが効果的です。ペーパーレス化して、紙の伝票や帳簿書類をなくしていくだけで業務時間は減っていきます。
 コロナ禍でテレワークを推進するためにペーパーレス化した企業の経理部門では、事務作業時間が大幅に削減されたという事例もみられます。

・伝票を起票して再度その内容を転記したり、入力したりすることがなくなった。
・処理結果を紙に印刷したり、ファイルに閉じ込んでキャビネットに保存したり、書類をシュレッダーにかけたりする作業が不要になった。

 ほかにも、紙ベースでの仕事がなくなると、情報を検索したり活用したりするスピードが速くなり、データ処理が短時間でできるようになります。
 ためしに、経理部が使っているコピー機やプリンターのコンセントを抜いておくか、他部門の場所に移動してみてください。
 紙の使用量が減るとともに、事務処理のスピードが速くなっていることが実感できると思います。
また、「電子帳簿保存法の改正」により、ペーパーレスを前提とした便利なITツールやサービスがたくさん提供されています。この機会に導入を検討してみてください。

現在、御社の経理の机には、紙が何枚ありますか?

 


②経理部員は「数字を管理するスキル」を増やす

 ペーパーレス化によって、「経理事務」の業務時間を短縮したとしても、翌月からすぐ業績管理や予算編成の仕事ができるとは限りません。
 新しい仕事をするためには、業務に必要なスキルが必要だからです。
 特に、会社の業績や資金を管理する経理では、数字の中身を見て判断するスキルが必須です。
 管理業務を遂行するために必要な技能が身についていない人材に、新しい仕事を担当させたとしても、そこでの仕事は手続き的な事務作業になってしまいます。
 例えば、業績管理の数字の見方がわからない社員は、毎月の結果数字を集計して表を作成する作業が仕事になります。
 予算管理にしても、各部門から提供された数字を考えずにそのままExcelシートにコピー&ペーストして印刷しているだけという経理社員も見かけます。
 事務的に資料を作成しているだけでは、業績を管理していることにはなりません。
 管理業務に必要な「数字を分析して判断し改善点を検討する」部分が、抜け落ちてしまっている会社は少なくありません。

御社では、「経営“管理”」の仕事が、「経営“事務”」になっていませんか?

 


③「経理事務」の仕事を減らして「経営管理」の仕事を増やす

 経理社員の業務時間の配分を見直すことは、労働生産性を向上させるためにとても重要です。
「経理事務」の仕事の割合を減らして、「経営管理」の仕事の割合を増やしていくことが理想です。しかし、経理担当者の時間の配分を変えただけでは実態が伴いません。
 経理事務を担当している社員は、自分に経営管理のスキルが身についていないことを自覚しています。
 経理社員からは、次のような声が聞かれます。
「日常の事務作業が忙しいので、業績管理をする時間がない」
「資金計画や予算の勉強をする時間がない」

 「経理事務」を効率化して「時間」をつくりながら、「経営管理」の仕事をするうえで必要になるスキルを養成していかなければならないのです。
 社員がスキルを習得するには、時間と費用がかかります。会社と社員が協力して取り組む課題です。「経営管理」のスキルを身につけるには、知識と実務経験の両方が必要だからです。
 会社が継続的に成長発展していくためには、社員も継続的にスキルアップさせなければなりません。

御社の経理社員は、毎年スキルアップしていますか?

 


経理社員の時間とスキルは「付加価値を増やす仕事」に投入する

 貴重な会計スキルを有している経理社員に事務作業ばかりやらせるのは、会社にとっても得策ではありません。
 人材を有効に活用するためには、適材適所に加えて、適切な時間の配分と、適度な能力開発が必要です。

 そのために、社長としては、今回説明した次のポイントを頭に置いて、経理部門の生産性の向上を目指してください。
①ペーパーレス化で「経理事務」の時間を減らしていく
②スキルなしの「管理業務」は事務手続きになる
③「経理事務の効率化」と「スキルアップ」は並行して行う

 生産性を向上させる基本的な考え方は、次の2つです。
(1)「付加価値を生まない仕事」に、時間と能力と費用を使わない
(2)「付加価値を生む仕事」に、時間と能力と費用を積極的に投入する

 デジタル化の流れは、経理部門にとっても生産性を向上させるチャンスです。
 儲からない経理事務を減らして、付加価値を増やす経営管理の仕事に経理社員の時間とスキルを活用させるようにしていきましょう。

御社の経理社員は、「会社の付加価値の向上」に貢献していますか?

 


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