言語を超える「ボディランゲージ」の効果 2
今回は、前回に引き続き、ある写真に見た国際交流場面における
ボディランゲージのポジティブイメージとネガティブイメージのポイント第二弾を分析解説しましょう。
「NYから迎えたシェフ数名と、彼らを迎えた日本のある地域の立場ある方々が一緒に写った、
その写真。日本側の方々が、何故かとても魅力的ではなく、パワーレスに見えた。
そして、写真にあった数々のシーンで、彼らの態度が横柄なものに見えてしまった。」という残念な事実が
そこにありました。何故、そのような印象に見えてしまっていたのでしょうか?
その大きな原因は「角度」。正確に言えば、体の角度、顎の角度、目線の角度でした。
非日常に近い、慣れないシチュエーションでの不安もあったことでしょう、
そして、「自分を堂々と見せなくてはならない」という意識もあってでしょうか、
余裕あるように振舞おうとしたのかもしれませんが、ソファーに座った姿勢が
のけ反ったようになってしまっていたのでした。この状態では、当然ながら顎が上がる姿勢になります。
これでますます横柄な印象を大きく与えてしまうネガティブな結果となった訳です。
この様に、人との対談場面では、ソファーに座る状況が多くあります。その際の座り方と姿勢から
相手が受け取るイメージでビジネスの可能性が変わってしまうとしたら、一大事です。
まず座り方の理想としては、椅子の奥まで深く腰掛けて、適度に背をもたれ、ゆったりとします。
それが自分もリラックスし、相手もリラックスさせ、余裕のある会話の出来る環境を作り出すことができます。
しかし、身長の大きな人ばかりではない日本人の場合、大きめのソファーにゆったりと深く腰掛けることが
難しい場合も多々あります。深く座ろうとすると動きがスムーズではなくなってしまいます。
これでは、ぎこちない印象です。また、いざ深く座ったかと思うと、足が床にきちんとついておらず、
ぶらりとしてしまう。これでは、子供のような感じであったり、地に足がついていない、
不安定な印象を否めません。では、足が届く位置で中途半端に腰を下ろし、
背もたれに全部寄り掛かるとします。すると、まず上半身の角度はリラックスを超えた、
だらしないイメージを与える斜めの角度になってきてしまいます。
当然、頭の位置は後ろになり、顎の上がった姿勢となってしまいます。
そして、その姿勢のまま、顔(目)は前を見ようとするため、顎が上がって、目線は上からのものになります。
従って誰から見てもいい印象には映りません。
まさに、前回、今回とテーマに上げている写真に見た、横柄な態度と受け取られてしまう体勢になるのです。
ではどうしたらよいのか?そしてその注意点は?
まず、ソファーには出来るだけ深めに腰を落とします。
そして背もたれの位置を上半身の角度で確認しつつ寄り掛かり、顔が真正面に向く(顎が上がらず、
目線が上からにならないように)体の状態を確かめて、腰の位置を修正。
確認ポイントは、話しながら、手のジェスチャーがきちんととれるかどうかです。
(上半身の角度が斜めになりすぎていると、手元の動きはとれなくなります。)
初対面や大切な場面、ソファーに腰掛けるシーンは数知れません。
そのような際に、ポジティブなイメージを与える存在としての「座り方、体の角度」で、
どれだけ相手に与える印象が違ってくるのか知り、実践することも、
ビジネスパーソンそして経営トップである人々がご自身のイメージマネジメントや
相手へのエンターテイメントとしての大切なコミュニケーションスキルです。
ご自身がビジネス用にご用意されるポートレート撮影や、メディア対応の準備の中で、
このようなシーンも是非ともリファインなさってみてください。
それを体得された方であれば、ソファーにゆったりと座り、リラックスしたその姿には、
自信、威厳、そして余裕という成功者のイメージ(オーラ)が背景に大きく広がっているはずですから。