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社員教育・営業

第174回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方96「気持ちを新たに総チェック」

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

 前回、「冬のマナーの注意点」についてお話しました。今回は「気持ちを新たに総チェック」をお話します。

 この時期になると、新人さんの入社を控え、その指導法も含めて、既存の社員の皆様が何となくそわそわしてくるのではないでしょうか。年が明けて業務が落ち着いてくるこの時期は、新人さん迎え入れ前に自分がどこまで出来ているか確認をしましょうと毎年提案をしています。

 でも漠然と確認というより、判断する材料があると比較しやすいので、新人研修のレジメでチェックしてみましょう。
 
『新人研修』~会社の「人財」になる~

1社会人としての心構え
*学生と社会人の立場の違いや、会社とは何のためにあるのかの理解
①役割遂行能力→組織の一員として「役」をこなす
②規則の遵守→エチケット、マナーはプロとしての基礎力
③職場の人間関係→自己理解から始まる

2ビジネス・マナーの基本
*会社の一員として誇れるマナーの習得
①身だしなみ→メラビアンの法則から学ぶ
②表情と笑顔→好意を伝える最高のスキル
③挨拶と返事→「挨拶上手」は大きな力、「+α」の効果
④美しい所作→お辞儀や名刺交換の仕方
⑤言葉遣い→社格を表す敬語・接遇用語

3仕事の進め方
*仕事の流れを速やかにするスキルの会得
①PDCAサイクル→仕事の全体像を掴む
②指示の受け方→5W2Hのメモを習慣にする
③報告・連絡・相談→会社の血液に匹敵する

4電話応対マナー
*見えない相手への配慮
①4つのポイント→迅速・正確・親切・丁寧
②上手な受け方→「笑顔で話す」ことの徹底③上手なかけ方→相手の時間を大切にする

5まとめ
 『微差は大差』

 これは最も基本的なレジメで、ご依頼主の希望に沿って何ヶ所か変えていきます。ただどのような職種であっても(葬祭系以外の会社の場合)、研修を始める前にお願いしていることが二点あります。

 一点目は、無意識に私たちは呼吸をしています。それと同じように、笑顔も無意識に出せているか、ご自身で確認をお願いします。二点目は、企業理念の理解の大事さを新人に伝えられるかです。

 この二点をクリアしていることを基本として、話をすすめます。


「1」について押さえるポイント
・社会人と学生の大きな違いを伝えられるか

・会社は何のためにあるのかを伝えられるか

・組織の一員として組織に貢献し、その「対価」としてお給料を頂いていることを自分自身が忘れていないか、そしてお給料に見合った仕事ができているか

・お客様ファーストの位置づけの中で必要となるエチケットやマナーに漏れはないか

・職場の人間関係の中で、苦手な人がいたら、その人の良いところを探そうと努められるか(人には必ず良いところがあります)などを確認なさってください。

 行の始めの「・」の上にそれぞれ「レ点」を付けていただくと、自身の改善点が分かりやすいです。

「2」について押さえるポイント
・対面の第一印象は身だしなみによるところが大きいことの理解が出来ているか(お客様を大切にする気持ちを大いに持っていても「気持ち」はお見せ出来ないため、視覚でお見せできるように変換する)

・本人の「笑顔のつもり」は、お客様から見ると殆ど「笑顔に見えていない」を理解しているか

・挨拶はコミュニケーションの入口、返事もしかり。

・美しい所作には人を惹きつける力が隠れていることの理解が出来ているか

・学校で敬語を学んでも、日常的に使う場面を学校側が生徒に提供までするのは難しいため、結果として新人は敬語が使えるまで至っていません。ですから職場では敬語を使い続けて、会社の風土にすること。このとき初めて言葉が活きるのです。言葉は人を育てます。言葉遣いは社格を表すと言われる所以です。

「3」について押さえるポイント
・PDCAサイクルはいろいろな職種の仕事の流れの中に取り入れられ得る、仕事の軸の一部と認識し、スキルとして有効に使えているか

・上司から安心して指示が出せる人と評価されるには、メモの達人になる必要があります。漏れのないメモが出来、不明な点は事前に指示が頭にしっかり描けるための質問力もはずせません。

・ズバリ会社の血液に匹敵する報告・連絡・相談は、あなたがクレーム対応の二次対応者になったときなどに、クレーム解決の所要時間を短く出来るスキルにもなり得ます。

「4」について押さえるポイント
・見えない相手の見えない心に向かって会話をする意識を持つと、「あの手この手の工夫」が湧いてきます。

・印象貢献の4つのポイント(迅速・正確・親切・丁寧)をもう一度復習をなさると、ご自分にとってもプラスです。

・「笑顔で話す」は、見えない相手との会話に「必須」です。笑顔になると口角が上がるので「笑声」になり、笑声は相手の鼓膜から脳に届くと、あなたの笑顔が相手に見えるような働きをしてくれます。

・かける電話は、受ける電話と違い自分から「時間」を選べます。ということは、完璧にかける準備が出来るのです。準備の一つは相手の会社の忙しい時間帯を知り電話をするのを避ける、一つは話す内容の資料の他に、これも必要になると思われる資料も揃えておくなどが入ります。受ける電話・かける電話共にその第一声は、笑顔で明るく元気で爽やかに!は言うまでもありません。

「5」について押さえるポイント
 『微差は大差』ですが、私は一枚の紙の厚さも大量に重ねると富士山の高さになるのも可能と伝えています。『細やかな心配り』をお客様に・一緒に働く仲間に、し続けられるかどうかです。大量の微差に拘ることが、大差につながります。

 以上のような方法で自分の出来ているところを確認し、かつ漏れていたところを発見し自分を育ててください。これを新人さんが入社なさる前に、会社が一丸となって互いのブラッシュ・アップとしてください。会社の「維持」は努力をして初めて可能です。

 最後に指導をするときの大事な点は、万一AさんとBさんが○○について違うことを教えてしまうと、新人さんは両者の言うことを立場として受け入れざるを得ないですから、物凄く困ってしまいます。指導や説明はAさんとBさんがよく話しあい、一本化することが必要です。

 その上で、『やって見せ、言って聞かせてさせてみて、褒めてやらねば人は動かじ』(山本五十六の名言)を是非取り入れてのご指導をなさるとよろしいのではないでしょうか。

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