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不動産

第55回 主寝室の脇に隣戸の水周りやLDを配置しない事

売れる住宅を創る 100の視点

今回は前回と同じフェーズ8の「 モノづくり 」ですが第3項目の『 ソフト面やハード面 』13項目中の第2項目である、分譲マンションでクレームの多い隣戸の音の問題でこれから住戸プラン創りや住戸配置等で知っておかなければならない『 主寝室の脇に隣戸の水周りやLDを配置しない事。 』に関してのお話を致します。

前回はフェーズ8の「 モノづくり 」の『 ソフト面やハード面 』13項目中の第1項目である『 典型的な住戸プランは「 田の字型 」住戸で2種類ある。 』に関してのお話を致しました。
 
「 モノづくり 」に於いて住まいの『 ソフト面やハード面 』の充実を図るという事で13項目用意致しました。今回はその第2項目で分譲マンションの住戸プランや住戸配置計画に関して重要な『 主寝室の脇に隣戸の水周りやLDを配置しない事。 』と言う事を、具体的に詳しく御説明致します。
 
前回のおさらいを致しますと「 モノづくり 」での重要な事である、住まいの『 ソフト面やハード面 』が非常に大切で分譲マンションでは『 典型的な住戸プランは「 田の字型 」住戸で2種類ある。 』という項目の内容を御説明致しました。
 
さて、今回に於いては私が建築家として最も得意とする「 モノづくり 」の「 こだわり 」や購入者に配慮し、クレームの起こらない「 気遣い 」についてのお話を致します。
 
このコラムで、いつも申し上げていますが、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとって、これからは購入者の「 2極分化 」が進み大変な時期が到来致します。
 
今後、不動産業界は「 超大手、大手ディベの寡占化 」が進みますので、凌駕する為には是非、分譲予定物件の「 モノづくり 」には「 こだわり 」を持って、顧客が気付かない細かな所に気遣いや配慮が行き届き、クレームの出ない良い商品を作り続ける事が大切です。良い商品を作り続ける事に依って信用を勝ち取って完売をしなければなりません。
 
そして、その様な物件を分譲し続けますと、準大手や中堅ディベロッパーに於いても、会社の信用度が一般社会でもおおいに高まり「 ブランディング形成 」( ブランドを高める事 )になっていき、それにつれて会社の知名度も上がり、不動産業界で超大手や大手ディベを凌駕できるのです。
 
その様になる為にも、今回のタイトルの「 モノづくり 」第3項目の『 ソフト面やハード面 』の13項目中の最初の第2項目である『 主寝室の脇に隣戸の水周りやLDを配置しない事。 』は分譲マンションでクレームが出ない最低条件です。ですので商品企画に於いて是非知っておいていなければならない内容ですので熟読して戴きたいと存じます。
 
今回も私が今迄手がけました新規分譲マンションや建売戸建等の設計業務の経験に基づいた大切なお話です。準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの方々に分譲マンションの住戸プランや住戸配置計画に於いて『 主寝室の脇に隣戸の水周りやLDを配置しない事。 』という最低限の知識が如何に大切であるかという事を理解して戴き、詳しく具体的に御説明させて戴きます。
 
毎回、申し上げて戴いていますが、私は2000年に体調を崩し大手設計事務所である「 (株)東急設計コンサルタント 」の設計部長を自ら辞し退職致しました。その後、約2年間体調の回復を兼ねて、多くの分譲マンション、分譲戸建や戸建団地を見学致しました。
 
そして2002年に現在の「 碓井建築オフィス 」を設立致しました。「 碓井建築オフィス 」設立後は十数社の準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの分譲マンション、建売戸建や戸建団地等の商品企画のコンサルティングや設計監修を数多く行ってきております。ちなみに「 (株)東急設計コンサルタント 」在籍中にもアルバイトで30数邸の注文戸建住宅の設計及び工事監理を致しましたので戸建にも精通しております。
 
また、今迄マンション関係の本を10冊上梓致しました。今月の3月4日に、エクスナレッジ社より、絵を主にした「一流マンションはここがスゴい (エクスナレッジムック)  」という本を上梓し、女性の方にも分り易いマンションに関する本に致しました。
 
「 碓井建築オフィス 」では更に、購入者向けに分譲マンションや分譲戸建の「 購入相談 」「現地同行チェック」や「 内覧会同行チェック 」をも行っています。これらの業務に於いても購入予定者や購入者の生の声を沢山聞いており、このコラムにおおいに反映させて戴いております。
 
これらの業務や経験を踏まえて申し上げたい事は、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは、これからは絶対に『 製販一体 』の体制で分譲マンションや分譲戸建の商品企画業務を遂行して戴きたいと思います。そして今回の『 主寝室の脇に隣戸の水周りやLDを配置しない事。 』の内容を販売の方々にも良く知って戴きたいと思っております。
 
さて、本題である『 主寝室の脇に隣戸の水周りやLDを配置しない事。 』は分譲マンションの商品企画や基本計画に於いては、クレームが多い問題解決の基本中の基本ですので、住戸プラン作成や住戸配置に関してこれから具体的に御説明致します。
 
通常、分譲マンションの住戸は1LDK、2LDK、3LDKと4LDKが主です。
 
そして、1LDK住戸、2LDK住戸、3LDK住戸、4LDK住戸全てにリビング・ダイニング( LD )やキッチン、浴室、洗面室やトイレ等の水周りが必ず有ります。
 
これらの、LDやキッチン、浴室、洗面室やトイレ等の水周りの共通している事は結構大きな音を発生させる場所なのです。
 
戸建でしたら、隣の戸建と離れていまして問題は起こりませんが、分譲マンションでは住戸同士が戸境壁のみを隔てまして、隣戸と接している事で住戸プランや住戸配置で音の問題がクレームとなって起きます。
 
まず、LDは夜遅くまでテレビを見ましたり、友人を呼んでの宴会等の音が問題になります。
 
次にキッチンは早朝に調理を行いますと周囲が静か( 暗騒音が静か )なので調理の音が建物のコンクリートを伝わって隣戸に聞こえてしまいます。
 
そして、浴室は深夜帰宅時にシャワーを浴びますと、やはり周囲が静かですので、隣戸に大きな音が伝わります。
 
洗面室も洗濯機が置いてありますので、夜遅く外部の暗騒音が静かですので洗濯機を稼働致しますとやはり隣戸に大きな音が伝わります。
 
これらの水周りで一番大きな音を発生させますのがトイレです。深夜、暗騒音が静かな時にトイレに行き用を済ませてトイレの汚物を流す音と竪排水管を水が流れます音がかなり大
きな音で隣戸に伝わります。
 
これらの音が発生致します、LDやキッチン、浴室、洗面室やトイレ等の水周りを隣戸の主寝室( 洋室-1)の脇に配置致しますと、必ずクレームが起き問題になります。
 
ではどの様にするかです…。
 
それは住戸プランや住戸配置の時に戸境壁を境に隣戸同士がLDや水周りをほぼ同じ位置になる様にする事なのです。
 
その様に致しませんと隣戸が深夜に音を出しますと、主寝室で安眠できません。
 
上記の事はこれから新規分譲マンションを企画・設計する上で非常に大切な事です。マンションのクレームで一番多いのが隣戸の音の件です。
 
更に、最近のタワーマンションや中高層のマンションの戸境壁の材質に鉄筋コンクリート造壁で無く、厚手のプラスターボードを張り合わせた乾式工法の壁を採用しています。乾式工法の戸境壁は重量が軽いので遮音性が低く隣戸の音が伝わり易いので特に注意が必要です。
 
これらの事は、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーで分譲マンションを手がけていらっしゃる商品企画や販売の方々は上記の内容は絶対に覚えておいてください。
 
何度も申し上げています様に、不動産事業で一番大切なのは売主の信用の継続です。クレーム等で信用を落とすのは一瞬ですが、再度築くには最低10年はかかります。この事は肝に銘じて下さい。
 
次回はフェーズ8の「 モノづくり 」第3項目の『 ソフト面やハード面 』13項目中の第3項目である『 住戸へのアクセス方式について…。 』に関してのお話を致します。
 
次回も期待して戴ければ幸いと存じます。
 
PS:コラムの中でも書きましたが、この3月4日に、エクスナレッジ社より、絵を主にした分り易く読めます「 一流マンションはここがスゴい 」という本を上梓致しました。御購入して戴ければ幸いです。ちなみにURLは以下です。


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