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不動産

第56回 住戸へのアクセス方式について

売れる住宅を創る 100の視点

今回は前回と同じフェーズ8の「 モノづくり 」ですが第3項目の『 ソフト面やハード面 』13項目中の第3項目である、マンションで売れ行き等を左右する『 住戸へのアクセス方式について 』のお話を致します。

前回はフェーズ8の「 モノづくり 」の『 ソフト面やハード面 』13項目中の第2項目である『 主寝室の脇に隣戸の水周りやLDを配置しない事。 』に関してのお話を致しました。
 
「 モノづくり 」に於いて住まいの『 ソフト面やハード面 』の充実を図るという事で13項目用意致しました。今回はその第3項目でマンションの設計の基本となる『 住戸へのアクセス方式について 』と言う事を、皆様に具体的に詳しく御説明致します。
 
前回のおさらいを致しますと「 モノづくり 」での重要な事である、住まいの『 ソフト面やハード面 』に於いて分譲マンションでよく起こりうるクレームの元となる隣戸等の遮音に関して『 主寝室の脇に隣戸の水周りやLDを配置しない事。 』という項目の内容を御説明致しました。
 
さて、今回は私が建築家として最も得意とする「 モノづくり 」の「 こだわり 」であります、マンションの設計の第一段階となる商品企画・基本計画時点での購入者に配慮した「 気遣い 」についてのお話を致します。
 
このコラムで、毎回申し上げています様に、最近は準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとっては、良い商品を作るディベロッパーと販売力の強いディベロッパーとの「 2極分化 」が進み、販売力のみに頼っているディベロッパーにとっては大変な時期が到来する兆候が表れていますので要注意です。
 
更に、不動産業界は「 超大手、大手ディベの寡占化 」が進んでいますので、凌駕する為には是非、分譲予定物件の「 モノづくり 」には「 こだわり 」を持って、顧客が喜ぶ細かな所に気遣いや配慮を行き届かせて、クレームの出ない良い商品を作り続ける事が大切です。良い商品を作り続ける事に依り消費者の信用を勝ち取って販売をし、良い評判が立つ事が生き残れる道だと思います。
 
そして、その様な良い評判の立つ物件を分譲し続けますと、準大手や中堅ディベロッパーに於いても、会社の信用度が一般社会でもおおいに高まり「 ブランディング形成 」( ブランドを高める事 )になり、それにつれて消費者のあいだで会社の知名度も上がり、不動産業界で超大手や大手ディベを凌駕できるのです。
 
その様になる為にも、今回のタイトルの「 モノづくり 」第3項目の『 ソフト面やハード面 』の13項目中の最初の第3項目である『 住戸へのアクセス方式について 』は分譲マンションでの売れ行きを左右する大事な要点です。ですから商品企画・基本計画時点に於いて是非知っておいていなければならない内容ですので熟読して戴きたいと存じます。
 
今回も私が今迄手がけました新規分譲マンションや建売戸建等の設計業務の経験に基づいた大切なお話です。準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの方々に分譲マンションの商品企画・基本計画時点に於いて『 住戸へのアクセス方式について 』に「 こだわり 」を持つ事が如何に大切で販売状況に影響するかという事を理解して戴きたいと思い、詳しく具体的に御説明させて戴きます。
 
毎回、申し上げて戴いていますが、私は2000年に体調を崩し大手設計事務所である「 (株)東急設計コンサルタント 」の設計部長を自ら辞し退職致しました。その後、約2年間体調の回復を兼ねて、多くの分譲マンション、分譲戸建や戸建団地を見学致しました。
 
そして2002年に現在の「 碓井建築オフィス 」を設立致しました。「 碓井建築オフィス 」設立後は十数社の準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの分譲マンション、建売戸建や戸建団地等の商品企画のコンサルティングや設計監修を数多く行ってきております。ちなみに「 (株)東急設計コンサルタント 」在籍中にもアルバイトで30数邸の注文戸建住宅の設計及び工事監理を致しましたので戸建にも精通しております。
 
「 碓井建築オフィス 」では更に、購入者向けに分譲マンションや分譲戸建の「 購入相談 」「 現地同行チェック」や「 内覧会同行チェック 」をも行っています。これらの業務に於いても購入予定者や購入者の生の声を沢山聞いており、このコラムにおおいに反映させて戴いております。
 
これらの業務や経験を踏まえて申し上げたい事は、毎回申し上げていますが、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは、これからは絶対に『 製販一体 』の体制で分譲マンションや分譲戸建の商品企画業務を遂行して戴きたいと思います。そして今回の『 住戸へのアクセス方式について 』の内容を販売の方々にも良く知って戴きたいと思っております。
 
さて、本題である『 住戸へのアクセス方式について 』は先ほども申し上げました様に分譲マンションの商品企画・基本計画時点に於いての基本で売れ行きを左右する重要なファクターなので、具体的に御説明致します。
 
通常、分譲マンションの『 住戸へのアクセス方式 』には大きく分けますと二種類あります。
 
その二種類とは「 廊下アクセス方式 」と「 2戸1エレベーターアクセス方式 」です。
 
更に「 廊下アクセス方式 」を細分化致しますと「 外廊下アクセス方式 」と「 屋内廊下アクセス方式 」が有ります。
 
「 外廊下アクセス方式 」と「 屋内廊下アクセス方式 」を御存じでない方に具体的に御説明し、それぞれのメリット及びディメリットを更に御説明致します。
 
「 外廊下アクセス方式 」は分譲マンションでは一番多く採用されています、住戸へのアクセス方式です。1階エントランスよりエレベーターで上がり自住戸の階で降りまして屋外廊下を歩いて自住戸に到達するアクセス方式です。
 
「 外廊下アクセス方式 」のメリットは住戸の通風及び採光が良い事です。その理由は住戸のメインバルコニーと廊下が外部ですのでメインバルコニー側の部屋の窓を開け廊下側の部屋の窓を開ければ外気が通り特に通風が良いのです。ディメリットは、住戸内の屋外廊下に面した部屋のプライバシーが屋外廊下を通る人に損なわれる事と、屋外ですので歩いていますと冬は寒く、夏は暑い事です。更に横風を伴った雨の時は屋外廊下ですので、歩いていますとびしょ濡れになる事です。
 
「 屋内廊下アクセス方式 」は「 高級マンション 」や「 タワーマンション 」に採用されている住戸へのアクセス方式です。1階エントランスよりエレベーターに乗り自住戸の階で降りますと、ホテルの様な屋内廊下を歩いて自住戸に到達するアクセス方式です。
 
「 屋内廊下アクセス方式 」のメリットは一旦マンション棟に入れば天候にかかわらず、快適に自住戸に到達できる事です。ディメリットは角住戸以外のほとんどの住戸が一面しか屋外に接していませんので、通風が全く期待できない事と工事費が割高な事です。
 
次にもう一種類の「 2戸1エレベーターアクセス方式 」の御説明を致します。
 
「 2戸1エレベーターアクセス方式 」とは各階に於いて2住戸に1台のエレベーターと階段を設置しておりますアクセス方式です。
 
「 2戸1エレベーターアクセス方式 」のメリットはエレベーターを自住戸の階で降りましたら、目の前が自住戸の玄関で「 廊下アクセス方式 」の様に長々と重い荷物を持って歩く事が無いのです。更に住戸の玄関が住戸の間口側でなく奥行側の中央付近にありますので、住戸内の廊下が少なく( 短く )その分専有面積を有効に使え、間取りの自由度が増す事と、住戸が廊下に接していませんので、メインバルコニー側の反対側の部屋にもバルコニーが設置できますので、プライバシーが確保でき且つ住戸の通風採光が良い事です。
 
ディメリットはエレベーターや階段の数が多いので工事費が割高で、エレベーターのメンテナンス費用が若干高くなり毎月の管理費が若干増える事ですが、そのディメリットを凌駕できる良さがまだまだ沢山有るのです。
 
私の独断と偏見で申し上げれば、これから高齢者社会を迎えますので、毎月の管理費が数千円増えたと致しましても、これからのマンションは「 2戸1エレベーターアクセス方式 」を採用すべきだと思います。
 
また、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとっては「 2戸1エレベーターアクセス方式 」でマンションを作る事に依って、同業他社物件と差別化できますので勝ち残れるのではないかと思います。
 
これらの『 住戸へのアクセス方式について 』の事は、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーで分譲マンションの商品企画・基本計画を手掛けている方々や販売の方々は上記の内容を充分吟味してマンションを作ってください。
 
何度も申し上げています様に、不動産事業で一番大切なのは売主の信用と顧客に対する配慮です。準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとって「 超大手、大手ディベの寡占化 」に対抗し勝つ為には顧客へ気遣いのあるマンションを作り続ける事です。しかし注意しておきたいのは、クレーム等で信用を落とすのは一瞬ですが、再度築くには最低10年はかかります。この事は肝に銘じて下さい。
 
次回はフェーズ8の「 モノづくり 」第3項目の『 ソフト面やハード面 』13項目中の第4項目である『 「コの字型」配棟「F字型」配棟と「E字型」配棟は避けた方が良い。 』に関してのお話を致します。
 
次回も期待して戴ければ幸いと存じます。

 
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