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第15回(技術の会得法を売る)「関口善大靴工房」

「社長の繁盛トレンド通信」

◆関口善大靴工房◆


技術の会得法を売る

 


 
世田谷の閑静な住宅街にある『関口善大靴工房』。店舗ではないため一見客はほとんど無いが、生徒が入りやすいように明るい一階物件を選んだ    靴作り教室は一回で2~3人を指導。自分の木型ができるため、一足作ると二足目、三足目と、リピーターになる人がほとんど
     
関口さん自身がデザインした靴の数々。ユニークなデザインが多いが、すべて歩き易さと履き易さを重視している
 
 
 社会が成熟すると共に、手作りの良さを残した商品に対するニーズが高まっている。
家具や洋服、靴、鞄などで、大量生産品にはない品質の高さと味わいが評価されているからだ。



 若い世代を中心に、"職人"に憧れる人が増えていることも、こうした流れの一つだろう。
とはいえ、人件費の高い日本で商品を手作りすれば、当然高額になってしまう。

 せっかく職人を目指しても、それだけを生業とするのは容易ではないわけだ。

  

  そんな中、靴職人・関口善大さんは、昨年25歳の若さで、
自らの工房『関口善大靴工房』を東京・三軒茶屋に立ち上げ、人気を博している。

  個人客からのオーダメイド靴の製造・販売だけではなく、業務の大きな柱となっているのが「靴作り教室」だ。
現在、月数足のオーダーメイド靴を手がける傍 ら、主婦や学生などを中心に、
常時20人の生徒に靴作りを教えている。
靴作り教室が、不安定なオーダー靴の売上げを補完する、安定収入として機能しているわけだ。



 関口さんは大学卒業後、専門学校で靴作りを学んだ、いまの若手職人の典型例だ。

 靴メーカーで企画デザインなども手がけた後、本格的に独立。
師匠から「靴職人として独立するのは至難の業だ」と教えられていたため、
当初から独立したら教室を開くことを念頭に置いていたという。



 靴作り教室は1日3時間で月4回、月謝は1万円(入会金2万円・材料費別)。

 素人には難しい型紙づくりは関口さんが手がけるため、入学すれば誰しも気軽に靴職人気分が味わえる。
そのうえ自分の好みと足型にあった理想の靴も手に入れられる。



 職人までいかなくとも「手作りを楽しみたい」という人は多いものだ。

 「手作り商品」の需要だけではなく、そんな「手作りを楽しみたい」という経験に対しての
需要をすくったことが、『関口善大靴工房』の勝因となった。
職人が生き残るためには、こうした「技術の会得法を売る」というスタイルは、一つの参考になるだろう。



 製造業に限らずとも「職人ワザ」は多々ある。
クリーニング店のアイロンがけ、喫茶店のコーヒー焙煎法、自動車やバイクの整備……。
これらを教室として展開すれば、「手作り」や「手作業」に憧れる別のニーズを掘り起こし、
厳しい状況を打破するチャンスが生まれるかもしれない。
(カデナクリエイト/箱田高樹)

◆社長の繁盛トレンドデータ◆

『関口善大靴工房』

住所 東京都世田谷区若林1-31-3

TEL 03-3487-2430 最寄駅 東急世田谷線若林駅徒歩3分

http://zendai.jp/

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