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ビジネス見聞録

「令和女子と消費の変化〈FOOD〉」/3分でつかむ!令和女子の消費とトレンド第4回

ビジネス見聞録 経営ニュース

 新しい価値観をどんどん取り入れていくことができるのが若者たち。若者たちの中でも、トレンドを握り消費を動かすパワーを秘めた女性たちの《インサイト》に注目すると、新しいヒットを創るヒントが見えてくる!

※本コラムは2020年9月号「ビジネス見聞録」に掲載したものです。


●新たに生まれる消費と消え去る消費

 コロナ禍は、私たちの生活様式や価値観に大きな変化をもたらしました。生活者の中に根付き始めた新しい意識や行動の変化に伴って、消費も変化しています。これからは、その変化の中に見出せるチャンスに投資していくことが必要です。
 
 消費の変化の中には、新たに「生まれる消費」と「消え去る消費」があります。「生まれる消費」にはコロナを契機に「定着」した消費と「復活」の見込みがある消費があります。
 逆に「消え去る消費」には「一時的」なニーズで徐々に消えていく消費と、人々が不要・無駄だと気がついて「消滅」していく消費があります。
 商機を見極める視点は4つあります。
 
 定着する意識/行動…コロナを契機に「定着」した消費に対しては、例えばウィルス対策として免疫力を高めたいなどのような新しく生まれたニーズを逃さずに捉えて、強化していくことに商機があります。
 復活する意識/行動…コロナで減ったけれども「復活」の見込みがある消費に対しては、反動欲求による消費を捉えることに商機があります。新しい生活様式に合わせて、たとえば飲食店で万全な感染防止対策を取るなど、消費の回復を促すサポートに注力することでチャンスを掴めます。
 一時的な意識/行動…「一時的」なニーズで徐々に消えていく消費は、例えば自宅での食事の回数が増えて負担を感じているなどのように、新しいニーズとそこに生まれている不満を把握した上で不便を軽減したり代替となる商品やサービスで対応したりすることに商機があります。
 消滅する意識/行動…不要・無駄だとみんなが気が付いて「消滅」していく消費に対しては、例えば付き合いで我慢していた会食のように、これまでの慣習から解放されるなどから人々が不要・無駄だと認識したことを見つけ、それを軽減したり代替となる商品やサービスで対応したりすることに商機があります。

   コロナ禍の中でも動き続けている消費の変化の潮流は、ジャンルごとに細分化してチェックしていくと把握しやすくなります。今回まず取り上げたいジャンルは毎日の生活で欠かせない「食〈FOOD〉」です。注目するべき消費の変化は以下の2つです。 

①凝った家庭料理は「たまに」から「日常」へ
②時短ニーズは「時間が無いの解消」から「回数が多いの解消」へ

 食にまつわる消費行動の変化の大まかな流れを見ると、「①こだわり」と「②時短」に2極化していく傾向が見られます。

 つまり、安全性や嗜好性を満たす「食の充実」に寄与するか、あるいは増加した自宅での食事の負担を軽減する「手軽・効率化」に寄与するかの2つがポイントとなっています。一つずつチェックしていきましょう。

 

●凝った家庭料理は「たまに」から「日常」へ

 食事は自分で自分を守るときの重要な要素になります。ちゃんと手をかけて、免疫力を高める食事を摂ろうという意識と行動が「定着」しています。食材を選ぶときにも、原産国や産地を気にする意識が高まるなど、健康を支える「食」の安全性や質の高さを求める意識が高まりました。

 実際にウィルス対策として免疫力を高めるキノコなどの菌類、納豆やキムチなどの発酵食品、乳酸菌飲料などの消費量が増加しています。コロナにより家飲みが増加する中でも、「ノンアルコール飲料」の販売量が目覚ましい増加を遂げていることなどからも「健康志向」の高まりを感じることができます。

 食材や調味料のみならず、「調理器」にもこだわって、手の込んだ料理を作りたいという気持ちも「定着」しています。4月に発売した「バーミキュラ フライパン」(VERMICULAR)の受注台数は3カ月で6万台を突破し、入荷数カ月待ちと早くも入手困難になりました。

早くも入手困難となった
「バーミキュラ フライパン」
(VERMICULAR)

 自宅でのパンやお菓子作りも流行しており、特に手作りパン作りはアメリカでも「ストレス・ベイキング」と呼ばれて注目を集めました。

 パン作りはこねる動作にストレス発散要素があり、作業に必ず終わりがあることで達成感を得られることから、ストレス対策に向いていると言われています。
 
 そのため、意識的に取り組む人もいれば、無意識的に取り組みたくなる人もいるのではないかということが指摘されています。

●時短ニーズは「時間がないの解消」から「回数が多いの解消」へ

 家で過ごす時間が増え、増加した自炊や作り置きは今後も生活に「定着」しそうな中で、こだわって手間をかけたい気持ちが芽生える一方で、回数が増えた食事の準備の負担を軽減する商品やサービスの需要も高まっています。
 
 ウィルス対策として乳酸菌による免疫力向上に注目が集まっており、自宅でできるヨーグルトメーカーが人気を集めました。
 
 ヨーグルトメーカーの人気の理由は、材料を入れてボタンを押すだけで簡単にヨーグルトなどの発酵食品を作れるという簡便さと、食費のコスパが良くなることの2つです。「手軽・効率化」のメリットがあることがポイントです。

 デリバリーやテイクアウトの活用は自粛期間中よりも減少傾向にあるものの、回数の増えた自宅での食事の準備の負担を軽減するために、若年層を中心に今後も積極的に選ばれ「定着」していく兆しが見られます。
 
 免疫力を高めるために摂りたい野菜を、サラダなどの野菜料理を食べるよりも簡単に摂れるという理由で、「野菜ジュース飲料」の売れ行きも伸びています。
 
 「一時的」なニーズとして消えていきそうなのは一時期流行した「オンライン飲み会」。人と対面で食事を共にする体験の場は他に替え難いものとして、「外食」は「復活」の反動欲求が今後期待されます。

●終わりに

 今回の紹介した消費の変化をとらえて、売れる商品を創るためのポイントは2つです。

 ①家庭料理を日常的に凝るようになったからこそ、こだわりの料理や食材、調理器具を提案することで食を充実させたいニーズを満たす
 ②自宅での食事の回数が増えたことによる不便を解消したいからこそ、簡単・コスパの良い商品で時短ニーズを満たす
 
 新しい時代のインサイトに注目し、潜在的なニーズに応えられる商品を創ると、ヒットが生み出せます。ぜひ、この最新のインサイトを活かしてみてください!

 

阿佐見綾香(あさみあやか)
電通ギャルラボ研究員。若年女子研究を専門とする。 ストラテジック・プランナーとして、企業や商品・サービスのマーケティングや商品開発、リサーチ、企画プランニング、コミュニケーション戦略立案などを担当。 電通ダイバーシティ・ラボ研究員としても、マーケティングの最新トピックであるLGBTに取り組み、みんなが楽しく暮らせるダイバーシティ社会の形成を目指す。

※本コラムは2020年9月号「ビジネス見聞録」に掲載したものです。

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