新型コロナウイルス感染拡大の第7波が深刻な毎日です。しかも世界的な物価高に加え、円安が進んでいる状況でもあります。こうした要素を鑑みますと、夏休みとはいえ、海外旅行に、とはなかなか考えづらい側面がありますね。
また、日本は、海外からの帰国時にコロナ陰性であることの証明書提出が必要となっています。帰国便で出発する72時間以内に現地で検査を受けないといけません。これもまた不安要因ですね。
ただし、仕組み上に限っていえば、海外旅行の人気を復活させるひとつのきっかけになるかも、というものは用意されています。ファストトラックと呼ばれる仕組みです。
厚生労働省による「MySOS(入国者健康居所確認アプリ)」というアプリを使って、あらかじめ必要事項の入力や書類のアップロードを済ませておけば、帰国時の空港での検疫手続きは極めてスムーズになる、というもの。つまり、空港での足止めに関する時間的かつ心理的な負担を軽減する、というのが狙いのようです。
私、先月(2022年7月)に、およそ2年半ぶりにハワイを訪れました。以前取材していた人たちの今をインタビューしてくるという目的でした。
ハワイへの往路、成田空港からのホノルル便はほぼ満席。訪れたのは7月初旬であり、現在ほど第7波が深刻ではなかったこともあり、この便を見る限りでは、海外旅行はすぐにでも人気復活するかとも思えたほどでした。日本からの出国にあたっては、いくつかの書類提出が必要(ただし米国入国時は陰性証明書はが不要となりました)ですが、それさえ用意しておけば、もうあっけないほどに時間はかかりませんでした。コロナ禍の前とそう変わらないと感じられたほどに。
あとは帰国時の問題ですね。
これが、アプリ「MySOS」の画面です。この「MySOS」を使って、帰国時の手続きがどこまでラクになるのか。不安と期待、相半ばといったところ。
まず、初期画面は、一番左の「赤色」の状態です。ここから、パスポート情報の入力、誓約書の入力、そしてワクチン接種情報を証明書のアップロードを済ませると、画面は「黄色」に変わります。
ワクチン接種の証明書(ハワイからの帰国ですと、3回接種だと待機なしになります)をアップロードする場面では、ちょっと戸惑いました。証明書のどこをキャプチャして送ればいいのか、不安だったからです。でも、なんとかクリア。
で、ここからです。ワイキキの施設で有料のPCR検査を受けました。私が訪れた施設での料金は160ドルと安くはない。ただ、わずか30分程度で陰性という結果と証明書がメールで送付されたのはありがたかった。これでひとまずは安心ですからね。
その証明書を「MySOS」にアップロードします。今度は割とスムーズにできました。一度やり方を覚えると、不安は軽くなります。この段階で画面は「緑色」になります。
その後、1時間ほどで画面が「青色」になりました。これですべてが受理されたことを示しています。あとは、この青い画面を帰国時の空港(今回は羽田でした)の特設窓口でかざして見せれば大丈夫なはずです。
結果、どうだったか。もうすんなりと窓口を通過できました。時間にして1分もかからない感じです。あとはこれまでと同じようにゲートを出るのみ。
こう見ていきますと、「MySOS」を通しての準備にはやや手間がかかるものの、帰国時の空港での足止めは、少なくとも私が体験した7月時点ではなかったことがわかりました。
第7波が収まり、円安にも歯止めがかかれば、海外旅行に出かける人は少しずつ増えていくと予想されます。「MySOS」は一定以上に有効な仕組みであると感じられました。あえて注文するなら、入力やアップロードの手順をもうちょっとだけでもわかりやすく説明してくれるウェブサイトが欲しいところではありますが。