社長の生の言葉が会社の方向性、進むべき道、ビジョン、方針にまで進化し、
現実にはスピーディーに徹底され、実現しているのだ。
口ぐせそのものが会社を 大きく変えている現実に気づくべきである。
100円ショップ業界のトップカンパニーの(株)大創産業の矢野博丈社長の
口ぐせは「怖い」「潰れる」と いう危機意識の現われと捉えるほうがいい。
同社にとってのライバルは大創自身で、会社が大きくなっていくと動きが鈍くなり、
怠慢になる事のほうが怖いとい う意識なのである。
売り上げ、店舗数共に業界のナンバーワンであることは紛れもない事実である。
矢野社長の口ぐせが会社の危機意識を高め、大企業病を未然に防ぐ事につながっているのだ。
倒産を経験したある会社の経営者は
「上手くいっている時がビジネスは危ない。コントロールできない勢いをつけてしまった」と述懐している。
危機管理の難しさは事前に予行練習できないということである。
だから、不測の事態に対して、日ごろからの危機意識を常に持てるよう心構えをする必要がある。
旅館業が冷え込み状態の中にあって、
(株)はづは、愛知県の奥三河・湯谷温泉郷を拠点に五箇所の旅館施設が繁盛を続けている。
知恵を絞り、サービスその もので差別化を図り成功を収めている。
第一弾の「はづ別館」は「あなたの感じたままの価値観で、翌朝、ご自身で宿泊代を決めてください」
というユニークな料金システムをうたっている。
当初、奇をてらった画期的なシステムといわれたが、22年間も続いていることからもお客が支持しているユニークな提案である。
(株)はづの加藤浩章社長は「特別なことではありません。こだわりを持って旅人をもてなす想い でやっています」という。
社長は「当たり前のことを当たり前にやろう。気分を売れ、気分の良い宿づくりを目指そう」が口ぐせである。
この「当たり前の・・」が顧客の心をぐっと掴んでいることになる。
上妻英夫
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