時代は大きく動いている。
変化の激しい時代なればこそ、それに対応するスピード対応が経営者に求められている。
変化こそチャンスと言う経営者も少 なくないが、すぐ手を打つスピードこそカギである。
やってみなければわからない。だから、まず、動いて様子を見る。
すぐに手を打つ。そして、さらに手を打つ。この連続が基本である。
「手をこまねいていても何も変わらない。動いた分だけ、変化が生じ、現場で生まれた知恵が出てくる、
その積み重ねが新しい商品や業態を生むと信じている」と言い切るのは、新業態のおむすびチェーン
(おむす人=OMUSUBITO)の運営会社、株式会社えんむすびの橋口政治社長。
橋口社長 は現在、ピザ・ウイリーチェーン本部(53店舗)を運営する株式会社ウイリーの社長である。
ピザの宅配を続けてきて18年になるが、消費者のニーズ、時代の流れで大きく変化が求められてきている。
橋口社長はもともとパン職人からのスタートで、美味しいピザを作り上げデリバリーシステムを導入し、
チェーン化するという時代 を先取りする感覚に優れている経営者の一人である。
ピザチェーンを展開しながら直営店で和菓子の店も展開。次の商品開発の準備に時間をかけていた。
橋口氏は鹿児島県種子島生まれの明るく、プラス思考の性格である。
経営での口ぐせは「何でもやろう」「常に夢(目標)を持ち、行動だ!」である。
仕事上、パートのおばちゃんのまじめな仕事ぶりと彼女達をもっと活用できる商売はないものか、数年模索し続けていた。
毎日の仕事の現場から生まれたのが、おむすびのチェーン化だった。
1年前から直営店を出し続け、既に9店舗が出店、順調に業績を伸ばし続けている。
「コンビニの機械的なオニギリに対し、『おむす人』は、お袋が作ってくれたおむすび」という癒される商品提供である。
店舗の運営もすべて女性、おばちゃん。店長はおふくろさん、他のスタッフは、むすび手さんと呼び合っている。
ショップの形態は駅に近い3・5坪から5坪のミニショップである。
お客の注文を受けてから、「お母さんの気持ちになってむすび 始める、手仕事」をコンセプトにしている。
「お客さんが喜んでくれるなら、いい商品をつくり続けよう」という姿勢を持つ橋口社長。
既に、「おむす人」の店でお客の要望を取り入れて仕上げている商品メニューがヒットしている。
メニューのネーミングも「具と具の縁むすび」で、お客が店頭で2種類の具を選択できるというもの。
「何でもやろう精神」の橋口社長が久々に燃えている。
陣頭指揮を取り、コミュニケーション不足の時代の中で、
全国的規模でホットリレーショ ン(あったかさをつなぐ店)を提供できる店作りに挑戦している。
上妻英夫