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第27講 カスタマーハランスメント対策の実務策⑭

クレーム対応の新知識と新常識

担当者としては失礼な言葉だと気づいていないけど、確実に相手をイラっとさせる言葉その4

恰好良いトークにするために「折り返し」を使っていませんか?使うことができる条件があります。

 さて、次に担当者の方に、気づいてほしい言葉は「折り返し」という言葉です。相手から「●●さんいますか?」という電話がかかって来て、●●さんがお手洗いのために席を外している時に、「○○は席を外しております。戻りましたら折り返しお電話いたしましょうか」というやり取りの時に、よく使いますね。それでは、「折り返し」と間違っている使い方で言うとこうなります。

 相手から「○○さんいますか」と午前11時に電話がかかって来ましたが、●●さんは本日は、外出していて、16時に会社に戻ることになっているとします。そこで担当者は「●●は、外出しておりますが16時には戻りますので、戻りましたら折り返しお電話いたしましょうか」という返答です。
 ここで折り返しを使うことは、正しくありません。なぜなら、折り返しというのは、時間軸で言うと1時間以内のことです。ここでは、11時にかかってきた電話に16時に○○さんが電話をすることを言っているわけですが、言い換えれば5時間後に電話をするということですから、1時間以内ではありませんので、折り返しには当たりません。


 もう1つ間違った『折り返し』の使い方の例を言います。
 「○○さんいますか」と午前11時に電話がかかってきました。○○さんは、出張していますが連絡は取れます。担当者は「●●は、不在でございますが、お急ぎでしょうか」と正しいトークで聞きました。すると相手が「ハイ、お昼までに相談したいことがあるのですが」と言いましたので、「それでは、●●に連絡を取りまして、折り返しお電話をするように申し伝えます」と返答しました。
 このトークの中の、「折り返し」の使い方も間違っています。なぜなら、○○さんは別の場所から電話をすることになるからです。


 つまり「折り返しお電話をいたします」の折り返しは、今、電話を受けている場所から1時間以内にお電話をするということです。時間で1時間以内であることとかける電話はこの場所であるという、この2点の条件にはまっていなければ正しい使い方だとは言えません。


 「折り返し」とつけてしゃべれば、恰好良く対応した印象づくりができると勘違いしないでください。恰好が良いか悪いかより、言葉を正しく使うことが、お客様対応を仕事にする人に必要な条件です。「折り返し」と言えるほど、すぐに対応、お電話をかけることができないけど、恰好良くしゃべりたいなら「改めて○○からお電話いたします」と「改めて」をつけると良いでしょう。

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