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社員教育・営業

第103回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方24 お客様との上手な雑談

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

「仕事のすすめ方
◆仕事を円滑にすすめる「コミュニケーションのスキル」◆

 前回、「尊敬する人は誰ですか」についてお話しました。今回は「お客様との上手な雑談」についてお話します。         
 友人との雑談は限りなく長く話せても、雑談の前に「お客様との」がつくと、急に「雑談」は苦手という気持ちに変わりませんか?「雑談」は、互いの目的の本題の前に少しでも広く胸襟を開いた状態で、かつ心的距離を近づけて話しあうために必要です。互いの心の中を少しでもわかりあって進める本題と、相手は何者?と思いながらすすめる本題とでは違いがでます。中身の濃い話し合いになりやすいです。心合わせと思ってもよいのではないでしょうか。

 「雑談」の所要時間は全体の一割弱で十分です。さらっと言いましょう。もしあなたが投げかけた「雑談」が運よくヒットしても、そこで盛り上がりすぎてはいけません。雑談の目的を思いだしスマートに処理してください。私はそのようなことが起こった時は(出身地が近い、又は同じだったときが経験上一番盛り上がります)「奇遇ですね!この件は是非別のときにゆっくりお話したいです。」と言って、話がマニアック(例えば、○○小学校の前の美味しいパン屋さんの話など)にならないうちに切りあげます。

 相手と会う前に準備することとして、まず会社のホームページで会社の内容を確認します。特に私は企業理念を必ず頭に入れます。企業理念はその会社が目指すものなので、会社内のどのポジションの相手に会う場合でも、ずれた内容の話をすることを避けられます。

 「雑談」の具体的内容については、日々アンテナを張って得た情報を、頭の中の引き出しに入れておきます。勿論日々更新もします。引き出しの項目は、活字から得た情報、テレビ・ラジオから得た情報、人から聞いた情報、自分が体験したことなどです(体験談は説得力があります)。さらに、性別・年齢別(十歳位づつのくくり)・役職別などに分けておきます。「雑談」の引き出しは多くなりますが、このようにしておくと、どのような相手に会ったときも該当する引き出しから「雑談」を選択することができます。この時、相手に対する観察力が相手に合った雑談を選ぶもとになります。

 定番で無難なのは、何といっても当日のお天気です。そのままを言えばよいからです。ただ、もし相手が柔道をしているような体格の方でしたら、私は「本日はとても寒いですね」と言いたいところでも、寒さの感じ方が違う可能性がありますから、「とても」を省いて言います。相手の共感を得やすいです。「午後はお天気がくずれそうですね」など、これから先の予報もキャッチしておくとよいでしょう。お天気のほかに、食べ物のこと・健康のことなど多くの方に共通する話材が雑談にむいています。もし話題に出したことを思いもよらず相手から簡単に流されてしまったら、「ところで○○さんのご出身地はどちらですか」と、話材の方向転換をして下さい。

 雑談は、挨拶・名刺交換がすんで本題に入る前のところで少しします。挨拶で大いに気を付けていただきたいのは、「明るく元気に笑顔で挨拶をする」です。ここで相手に好印象を与えられると、どんな人かしらと次に発する言葉を期待して待ってもらえます。その意味からも、「雑談」をしやすい環境は、自分で作ると理解して下さい。また仕事は最寄りの駅から始まっていると認識するとよいでしょう。体験談ですが、最寄り駅でトイレを利用しました。自然なメイクで清潔感のある好印象の女性と目が合いました。それだけのことでしたが、電話を一本したあと五分ほど歩いて研修会場にいくと、その女性が席に座っていました!「すでにお目にかかっていますね」とそのままのことを申し上げました。人に会う時の自分のスイッチは早めに入れておくと慌てなくてすみます。
 頭の中の引き出しに入れた情報で雑談をすることに慣れていくと、段々その場で言えるようになります。その日をめざしてどうぞ情報収集に励んで下さい。
 
 
■松尾友子氏
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