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戦略・戦術

第116話 銀行員の今どきのセールストーク

強い会社を築く ビジネス・クリニック

年の2回、日本経営合理化協会主催の「全国経営者セミナー」が大手町のパレスホテルで(今年は2月20日)開催されています。
毎回、第1日目のパーテイーに参加させていただき、私の塾の修了生に会うのを楽しみにさせていただいています。
そこで全くお顔とお名前を存じ上げない方(私のセミナーや著書の読者であろう方)から、突然に、ご相談を受けました。
 
「井上先生! 今の銀行金利はもう底だと思うのですが、これからの先の金利は上がると思うのですが、どうなると思われますか?」
と単刀直入に聞いてこられました。
 
「私の本や講演でのセミナーやブログで申し上げているように、今のところハイパーインフレは来ませんし、長期的にも金利は上がりません。」
中国経済の崩壊で、デフレ基調、原油価格の激安で、日本は得をしますが、円高基調に変わり、株安は当分続くでしょう。
「なぜ、金利率の質問を私にされるのですか?」
「これから先、銀行金利率が上がると先生はお考えにならないのですか?」
「では、あなたはこれから金利高になるとお考えなのですか?」
 
「今、何か銀行融資を受けられて投資をされるご予定があるのですか?」
「別にありません!」
「???」
 
「それはもしかしたら貴殿の取引銀行の営業マンのお話ではないですか?」
「………」
それみたことか!
 
また銀行の担当者の口車に乗せられた金融知識の乏しい経営者を落とし込もうとする「営業トーク」の1つで銀行借入を発生させる(銀行にとっては売上をあげる)セールストークの1つであるのがわからないのでしょうか?
 
長期借入金(投資)短期借入金(運転資金)を発生させるのは、理由があって借りるべきなのです。
「邪魔にもならんのだから、ひとつ相手先の銀行のいう事を聞いて、お金を調達して借入枠の実績を作って、預金口座に置いておくか!こんな不透明な時代、マサカの時には現金が一番だから………」
こんな考えがあるのでしょうか?
 
「財務体質のよい会社は(無借金会社)必要な時有利な条件(無担保 無保証、極低金利率)で貸してくれるのです!ところで今金利率はいくらと銀行は言っていますか?」
「0.85%です」
「そんな金利は一つも低金利率ではないですよ。ただみたいなものとは言いませんよ。今、世間では 0.5%以下です」
 
当日、別に報告に来られた栃木市のA氏は
「先生、0.2%が銀行から出てきました!」
とおっしゃていました。
 
お会いした栃木市のA会長は
「先生、0.2%でお金を借りることが出来ました!」
「それはすごい事ですね!アドバイスした通り低くなっているでしょう!」
周りの人もそれを聞いて感嘆していました。
 
「0.2%で借りて、0.4%で預け入れました!」と強調されていましたので、その時「はてな?」と思ったのです。
財務に強いA氏です。
「どんな方法で出来るのですか?」とは私も聞かなかったのです。
 
私は講演でも著書でも銀行借入金利は短プラでもなく長プラでもなく、
TIBOR(タイボ)+スプレッド(上乗せ金利率)=支払金利率方式の変動性金利率で借りなさいと15年間言い続けています。
今や0.2%も可能になりましたね。
 
その後20日もしないうちに、日銀はマイナス金利を発表、タイボ(TIBOR)はただ下りの金利率を示しています。
 
その2日後に〇〇信用金庫の行員さんと会う事がありました。貸す会社が少なく、大変な競争で苦労していると泣き言を聞く羽目になったのです。
 
「ところで信用金庫は今いくらの貸出金利率を提案するのですか?」
との問いに
「3.4%~3.5%です」と悪びれることもなく、言われました。
 
「私の関係先、知る限りの会社でそんな高金利率で借りる会社はありませんよ!」
「そうなんですよ。今どんどん他行さんは下げておられます!しかし、それでは手前どもの信用金庫では経営が成り立たないのです」
「成り立たないと言っても預金金利率は0.02~0.03%じゃありませんか?」
 
「いいえ我が行のチラシをご覧ください」といって示したパンフには1年ものの年利率0.525%と表示してありました。
 
「お蔭さまで定期預金は集まるのですが、3.4%~3.5%で借りていただけるところがなくって…!」
「そりゃありませんよ!しかしまさか担保を取らないでしょうね!」
「いただいております」
「それって今、金融庁からしていけないといわれているのでは?」
「………」
 
「御行の条件で借りておられる先はどんな企業さんですか?」
「不動産業パチンコ業が多いです」
「その業種でもこの頃はそんな金利率では借りませんよ!」
 
その信用金庫は23の支店を持ち、業界順位でも内容がベスト5位に入っているとおっしゃる。
ということは今日もこの銀行と惰性で付き合って、高い金利を支払っている零細企業があるという事でしょうね。
 
なぜもっと目を開き、真剣に経営をなさらないのか?
身近な人、勉強しない人達だけとの付き合いだけでは情報は入ってこないと思うのですが…。
 
50年前私が住宅ローンを組むのに銀行を紹介してもらった時、「幸福相互銀行を紹介してください」とお願いました。紹介者は「住友銀行難波支店を紹介しよう!」と言っていただきました。
「そんな有名な大きい銀行よりも若輩の私ですので幸福相互銀行でいいです」と遠慮気味に言った時
「バカか!金利が安い方がいいだろう…君の給料じゃ大変だろうーーーー」と言っていただいたことを思いだしました。

 

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