博多の20歳代後半の女性に
圧倒的な支持を受ける店!
「HAKATA ONO」(福岡県・博多市)
4年前にあと10年生きられる確立が30%と医師に宣告されて、意識が変わり、会社が変わり、業績が変わった会社がある。その男の名は小野孝 (さとし)だ。
彼の率いる店を福岡の飲食店の経営者は“ONOグループ”と呼ぶ。
実は、小野は病気になる前も月刊食堂などの専門誌に繁盛店として取り上げられたことがある。しかし、そのころの小野は繁盛していたが、裏で は、一年以内の離職率が95%という異常事態にあった。
病気になり、小野は、身近な人間の幸せを意識した。そのことにより、「お客様が喜べば結果は後からついてくる」という考えを改め、従業員の幸 せを意識するようになった。
そして、増やしたのが従業員との対話だ。実に一日の60%を従業員との対話にすごす。
やる気だけでは人は長続きしない。
夢をもつことが大切だと安易に言われるが、夢をもつということはその夢との間にできるギャップを持つという面がある。人は強くないし、その解 消がなければ、長期的な視点で見れば長続きはおぼつかない。
小野は店を作るときもアイデアをみんなから聞くようになった。そして、その店はスタッフの手で繁盛店となっていった。
2008年秋、天神IMSに小野は念願の大型店を出した。その店名が“HAKATA ONO”だ。天神IMSという野の葡萄、回転寿司の磯貝など繁盛店が名を連ねる中で、とてつもない売上をたたき出している。
小野の店は当初、月商1400万円くらいのスロースタートだったが、6月には「2000万円は見えました!」と笑顔で応えた。その理由はお値 打ち感、ランチに魅力的なサラダバーを取り入れた。サラダバーと言っても、前菜がふんだんにあり、980円のメニューにもついており魅力があ る。
天神IMSの主力客層の三十代女性には意外と知名度はなかったが、この「意外にいい」という事後評価が固定客を作り繁盛店へと向かってい る。
小野は来年海の見えるところか山でホテルを作るという夢を具現化する。そして、またファンを増やし続ける。