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マネジメント

第17回 社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:モンベル~

オンリーワンで勝ち残る企業風土づくり

<社員の幸せを考えるブレない経営とは?~事例:モンベル>

勝ち組と負け組が明確になる今、経営者の判断がブレると会社は、これから負け組に入ってしまうでしょう。しかし、経営者の判断が理念を軸に、ブレなければ、会社は、生き残り、勝ち残ることが可能です。
なぜなら、先行きの見えない日本で現場は、経営の判断が常にブレない会社なら、その会社を信頼して“ついていこう”と思い、顧客の声に耳を傾け始めるからです。

会社は、永続する必要があり、永続させるには儲からなければならず、そのためには、顧客の声を聴き、必要とされる会社になり、利益を生み出すことが不可欠です。
経営者は代わりますが、変わらぬ経営理念を軸にブレない経営を実践し、会社の風土を築けば、現場が一つとなり、顧客になくてはならない会社には何が必要か?探り当てることができるのです。

そこで12回連載を終わり、今回からは全6回で“地域密着”をキーワードに顧客の支持を獲得している会社を事例に、経営理念により現場士気を向上させ、それを売り上げに結びつける仕組みを、解説いたします。
 

~商品価値は“軽さ”と“速さ”~
最年少21歳でアイガー北壁という難関をクリアした辰野氏は、1975年当時28歳で2人の山仲間、真崎 文明、増尾 幸子ととともに登山用品メーカーを目指して「株式会社モンベル」を設立します。

登山家でもあった辰野氏が「これだ!」と直感したビジネスとは、世界にまだない初めてのモノを生み出すメーカーになることで、それは繊維を扱う商社に勤めていたときに出会った防弾チョッキに使われる「ケプラー」や燃えない消防服に使われる「ノーメックス」が、登山用品になるとどうなるか??この出会いが引き金でした。

これまでにない機能を備えた新しい登山用品ができるのではないか? この好奇心が会社の商品価値を生み出す原動力となったのです。

モンベルの商品コンセプトは”Function is Beauty(機能性は美しさ)”

このコンセプトをもとに同社は、商品の軽さと速さ(登山の場合、商品が軽ければ登頂者が速く動け疲れが軽減する)を価値として開発し続けています。


~地域密着は、お客様を定義することから始まる~

現在(2013年8月)同社は年商420億、84店舗を展開しているのですが、扱う商品は、常に「本当に必要な人に共感してもらえる品物を作る」ことを念頭に考えられています。

同社が定義する本当に必要な人とは、アウトドアファン

つまりアウトドアファンが一人でもいるなら、それが例え僻地であっても、その地域に密着し、アウトドアファンが共感する商品を

「全国一律で、誰もが同じ価格で購入できるようにする」

同社は、そのためには一切の妥協がありません

小売企業では当たり前といわれていた地域による価格差「激戦区である都会では安く売られ、田舎の小売店では全く違う値段で売られていること」を、「本当に必要としてくれる人に届けたい」 と値段の格差をなくすため、同社は業界の当たり前に妥協せず下記の決断をしました。


「製品を全品3割下げよう!」
(全国で価格を一律にすると商品価格が3割ダウンとなるため)

「全国一律で、誰もが同じ値段で購入できるように」した結果、この決断による(競合による)売上の減少はなく、お客様視点で考えた、この決定により同社はアウトドアファンの心を掴んだのでした。


~基本理念は日本型終身雇用~
同社は社員600人を超え、新規採用を生き続けるため(社員の平均年齢を上げないため)と捉え、それは会社を存続させるためで、売上げ拡大のためではないと明言しています。

同社の会長である辰野氏は、売上げ拡大を目標とせず

  • 競争しない、
  • 無理もしない、
  • 勝つ必要はない
    を掲げつつも

「負けるわけにはいかん!」と断言し、生き残りへ向けて経営を舵取りしています。が、その実践には「自分の社員を守る」を最優先とする日本型終身雇用を基本理念とし堅持しているのです。

なぜなら、会社が社会貢献していることが会社モンベルの存在意義であると経営幹部が言ったとしても、辰野氏自身が「社員が自分の会社の社員を解雇する会社など、今イチ信用できない」と感じることを知っているからなのです。


~トップが幸せと感じる大切さ~
創業者辰野氏はモンベルを、「社員が世界一幸せだと感じてくれる会社にしたい」と願うと同時に“会長が幸せでも社員がどう思っているかわからない。”と日々自問自答し「少なくともトップが幸せと感じていない会社で働いている社員が幸せと思えるはずがない」と確信するに至りました。

モンベルは以下の社会活動を通して、会社が社会に貢献することが、会社の存在意義となり、それが愛されるブランド「モンベル」へとつながるブランド戦略を貫いているのですが、そのためにはトップ自身が会社で働くことに幸せを感じる姿を社員が共有することが不可欠なのです。

<モンベルの社会活動>

  • 自然保護
  • 社会福祉
  • 野外体験・環境学習
  • 災害支援
  • チャレンジ支援(自然保護、社会福祉、野外教育、地域貢献など、自然と関わりがあり、社会的貢献度の高いさまざまな取り組みを応援・・資金や物品サポート)
  • モンベルチャレンジアワード(前向きなメッセージを伝える活動を応援表彰
  • 冒険塾(冒険を目指す人のための講座開講)
     

~本当に必要な人を見据える経営とは?~
同社では、マーケットリサーチ?そんなのは必要ないといわれています。その理由は、自分たち(経営幹部や社員、スタッフ全員)がユーザーだからです。

「自分たちの欲しいもの、それを1万人の人が必要としなくても、 たとえ100人でも200人でも“本当に必要な人”に共感してもらえる品物を作る」

同社がオンリーワンと成りえたのは、<本当に必要な人>にこだわり、<本当に必要な人>の目線(売る立場ではなく)で、ここにしかない”商品をつくり上げるべく、創業者や経営幹部が会社のベクトルを揃え、向かうべき方向を明確にしたからなのです。


●モンベル サイト
http://www.montbell.jp/

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