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健康

第15号 生活習慣、生き方、そのオーラ

おのころ心平の ──社長のための「か・ら・だマネジメント」

 先日、電車の中でスーツ姿の老紳士に足を踏まれたんです。かなり混んでいましたから、しょうがなかったんですけどね。でも、ムッとしてしまいました。

 そしたら、その紳士、「ああ、すみません」と言って、腰を折り曲げ、手で僕の靴を払ってくれるんですよ。

 僕は思わず、そこまでしてくれるこの人の手をとってしまいました。

 「いや、大丈夫ですから」

 見たところ、お歳は70前後の老紳士。その方から見たら、僕なぞはジーパンをはいた、そこいらの若造です。

 でも、この方は相手が誰であれ、そうするんでしょうね。この方のポリシーが伝わってきて、ムッとして(たぶん相手をジロッとみて)しまった自分を後悔してしまいました。

 たぶん、こういうのって、生き方の積み重ねなんだ、と思いました。

 状況のせいにしない。謝るべきはきちんと謝る。

 なかなかできることじゃないですよね。僕が70歳くらいになった時、こうした行為がとっさに出るだろうか?と思いました。

 僕の知り合いに、億を越える借金を抱えている人がいます。でも彼はいつ会っても朗らかです。朗らかどころか、どうやら借金すら、人生の中のひとコマとして楽しんでしまっている様子です。彼に、なぜそんなに楽しげに人生を送れるの?と聞いたら、

 「え? あなたの言うハッピーラッキービームをやっているんじゃないか」と。

 そ、そうなの!?

 その知り合いは、もともとの性格も手伝ってか、すごく前向きに物事を捉えます。借金など、その額こそが「自分の器だ」というふうに考えています。つまり、その額をいつでもひっくり返せるくらいに自分の器は大きいのだと。

 「あなたのハッピーラッキービームを知ってから、自分で応用して、すれ違う人に片っ端から、あなたも金持ち、あなたも金持ち、あなたにも今日、お金が降ってくるよ、とビームを照射してるんだよ。そしたら、最近、自分の方がツキ始めた。こりゃ夏くらいから、かなり運気が上がるな」

 不景気も金融不安も何のその。これくらい前向きになれる人なら、本当に何とかするだろうな、という気にさせられます。

 でも、実は、この「その気にさせられる」というところが大事なポイントなんですよ。

 私たちは、知らず知らずに自分のオーラというものを発しています。オーラとは、いま考えていること、過去何日か考えていたこと、もっとずっと過去から積み重ねで考えてきたことが、折り重なって現れる、目に見えない服のようなものです。

 思考に一貫性があると(あなたの生き方のスタイルが完結していると)、その色は鮮やかに透明度が高い色になるでしょう。彼にお金を貸した人も、貸した時点で、その透明で一貫性に満ちたオーラを感じ取っていたはずです。

 僕のところへは、多くの病に悩むクライアントさんがいらっしゃいますが、この人はちょっとサポートするだけでうまく解決していける、という直観が湧いてくるときがありますが、それは、僕のオーラがその人のオーラを感じとっているのだと思います。

 でも、なかなか一貫性あるオーラをまとうのってむずかしい。先日来られたクライアントさんのカウンセリングをしていて、はっと驚かされました。

 この方の朝は、通勤電車の時間との戦いから始まります。

 朝、家を出る 

 →歩く

 →けっこう早足

 →もうちょっと早く出ればよかったと後悔

 →また走る

 →階段を駆け上がる

 →心なしか隣を行く人と、先を行く勝負

 →ホームにたどり着く

 →待ち時間

 →あれだけ焦って来たのに5分も待ち!?

 →誰にというわけでもない憤慨…

 これをほぼ毎日繰り返しながら、勤務先へ。

 おそらく勤務先へ着く時間というのも、ぎりぎりになっていることでしょう。

 雨でも降っていようものなら、ストレスは×2倍くらいになります。

 この一連の行動のあいだに、カラダの中では何が起こっているのか、ちょっとのぞいてみましょうか。

 まず、血糖値が上がります。

 血圧も上がります。

 筋肉が緊張します。

 呼吸が浅くなります。

 乳酸が溜まります。

 無意識に人と競争するのでアドレナリンが分泌します。

 このような状況では、全身の血液循環が不足しますから、血管も腸管も「フリーズ!」って状態で、ガチガチに緊張します。

 これを一日の始めに、毎日…(涙)。

 この生活習慣の前には、どれだけの名医もカウンセラーも、太刀打ちができないでしょう。

 「お願いします、この生活習慣を変えてください!!」としか言えないですね…。

 多くの人にとって、病より、お金がないという悩み事より、もっと深刻に直面する問題は、実は「自分自身を信じられない」ということなのです。

 自分の才能、自分の自己治癒力、自分の器を信じることができない。

 一貫性を持つと言っても、何が自分の人生において、拠りどころになるのかがわからない。

 だから、健康診断やお金という世間一般の基準に、自分の方をすり寄せようとする。

 そのため、現実に遭遇する日常の出来事に一喜一憂して過ごすことになり、そのたびに様々な色のオーラが現れ、色が混ざり、しだいに不透明なものになっていきます。

 人は、どんな人でもいくらかの直観力を備えていますので、その人が発するオーラをどこかで感じています。そのオーラを感じた人がお金を貸すし、逆にストレスをかけてきたりします。つまり、あなたのオーラこそが、お金や健康を引き寄せ、あるいは、弾いているのです。

 日常生活に込めるココロって、あなたのオーラを育む栄養です。先の老紳士のようにちょっとした行為にその人の生き方が現れる。そしてまた、自分の「カラダ」にいちばん大きな影響を与えるのも、日常におけるちょっとしたココロの込め方、なんですよね。

 食べるとき、歩くとき、階段のぼるとき、しゃべるとき、一瞬一瞬の呼吸にすら、ココロを込めるチャンスはあるのです。

 あなたの個性に合わせて、自分なりに体得した生活習慣の得意科目が増えると、カラダは素直に、元気を取り戻してくれるのです。

 これを実行して頂くために、僕はカウンセリングをしています。

 あなたのカラダの気持ちにたって、あなたの胃や肺やふくらはぎの気持ちになって、あなたのカラダにココロを込める。

 「気をつける」生活習慣から、「ココロを込める」生活習慣へ。

 呼吸、食事、歩くこと、ゆっくりできる範囲で始めてみましょう。

 そうした積み重ねが、きっとあなたのオーラを輝かせるはずですから。
 

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