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社長業

Vol.144 お客様に「幸せを提供」できていますか?

作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)

先週、日本旅行のカリスマ添乗員の異名を持つ平田氏にお会いする機会があった。旅行業界もディスカウウント合戦が続く中、自分は2倍も3倍も値段の張る旅行企画を売っていると言っておられた。
 
たとえば、かつての大人気企画に「仇討ツアー」なるものがある。夕方、大阪のキタの新地のクラブから始まって、2軒目は有名レストラン、そして仕上げは「おかまのショーパブ」で、お酒飲んでおいしいもの食べて最後に大笑いして・・・いつもは主人が接待と称して行っている店に、奥様方が連れだって豪遊する。
 
題して「仇討ち」みんな、本当に「楽しいこと」「笑い」「元気になれること」を求めている、と。だから平田氏は、僕が売っているのは旅行じゃなく「元気」なんだと強調しておられた。
 
そういえば、昨年の11月に、いつも泊るホテルで、恒例のクリスマスディナーショーのポスターが貼り出されていた。ビッグネームの歌手も4人出ており、最高料金は35000円。
 
ホテルの知り合いに、どの人が一番人気?と尋ねたら、答えは何と、「綾小路きみまろ」さん。おばちゃん毒舌で大人気とはいえクリスマスまで! 公開初日で完売とのこと。
 
一昨日、事業展開の相談に来られてたブティックチェーンのK社長も、VIP奥様の皆さんに声をかけて「きみまろショー」を大人数で見に行って、本当に皆さん喜んでくれたと、言っておられた。「また、やってよ~」とも。
 
ショーに行ってから、その時の話をしに店に立ち寄って、ついでに「これいただくわ」と買っていかれる。年に1~2度、宝飾品のイベントをやっても好調である。決して「笑い」だけではなく「知識」や「教養」など、人それぞれ求めるものの対象が違うだろうが自分の関心があるものについては消費者は貪欲だ。
 
売り手は、自社商品についての知識は当然だが、買い手の関心事にもっともっとアンテナを向け、より深く広く勉強しなければ、「幸せを提供」することはできない。
 
社長自ら、また店長もマネージャーも、お客様と個人レベルで話をじっくり聞ける場を作っていかなければ、相手を理解することはなかなかできない。
 

お客様は、御社と付き合うことで幸せを、感じていますか?

(2010年4月14日配信)

 

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