東京スカイツリーに次ぐ今年の注目施設、「渋谷ヒカリエ」(高さ約180mの地上34階、地下4階)が4月26日にオープンし、商業施設「ShinQs(シンクス)」には、開店前から4,000人の行列ができた。
ここは東急文化会館の跡地で、以前は屋上プラネタリウム、4つの映画館、大型ホール、レストランなどがあったが、再開発された渋谷ヒカリエにも、11~16階に本場NYブロードウェイのミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」をこけら落としとして7月にオープンする、2,000席収容の大型劇場「東急シアターオーブ」や、8~9階のイベントホール、アートスペース、8階にはコクヨが「Creative Lounge MOV(クリエイティブラウンジ モヴ)」という、メンバー制の共有型オフィススペースなど、「文化」的な施設が設けられている。
運営主体の東急グループは、渋谷ヒカリエを、「若者の街」と思って最近足が遠のいていた20代後半~40代の高感度な大人の女性を渋谷に呼び戻すための「新しい文化の発信拠点」と位置づけ、地下3階~5階は200店からなる百貨店とファッションビルのハイブリッド型の商業施設「ShinQs(シンクス)」、6~7階は26店の飲食フロアを展開している。
また、17~34階以上のオフィス部分も、地下鉄副都心線や半蔵門線に直結しており、横浜DeNA球団のオーナーでもある、携帯ゲームサイトを運営するディー・エヌ・エー (DeNA)などが入り、全て埋まっている。
最近渋谷には大型商業施設ができておらず、今年度中に東急東横線も地下化して副都心線に直結する計画となっているため、「渋谷が通過点になってしまう」という危機感もあったが、渋谷ヒカリエの初日は来館者が約20万人、売上が2億9000万円と予算費200%という幸先の良いスタートを切ったので、ひと安心のようだ。
■ShinQs(シンクス)
商業施設「ShinQs(シンクス)」は、地下3階が食品、地下2階がスイーツというデパ地下風の食品売り場、地下1階が百貨店風の化粧品売り場、1階が駅ビル風のナチュラルコスメ、2~4階は「全てを“雑貨”としてとらえる“Zakka視点”のMDキーワードをもとに、単なるモノの分類ではなく、売場を気軽に散策 し発見する楽しみや、自分の視点や価値観で自由に組み合わせる買い方、使い方を提案する」(プレスリリースより)という、洋服よりも雑貨をメインに、百貨店の平場のように構成したファッション売り場、5階はザ・コンランショップ・キッチンやオクタホテルなど生活雑貨となっている。
私はオープン前日の内覧会と初日の午後、4月30日に行って来たが、内覧会には、「大人の女性」以上の中高年男女がとても多く、口々に、「最近渋谷で買い物をしていなかった」と話していたし、初日はターゲットとする20代後半~40代がやはり多く、地下2階のスイーツ売り場では、サダハル・アオキ(ヒカリエのみ販売のマカロンが目玉)、1階ではサボンに行列ができていたし、京都のあぶら取り紙「よーじや」が展開するカフェも人気だった。
地下1階化粧品売り場にある特保飲料「ヘルシア」を試飲しながら、好みの商品を座って自由に試すことができる「try cosmetics est cafe(トライコスメティクス エストカフェ)」という新たな接客法など、いろいろなところに新しい試みが見受けられる「ShinQs(シンクス)」は、ブランド店や日本初上陸の店など目玉店舗はないが、渋谷の新名所になりそうだ。
======== DATA =========
●渋谷ヒカリエ
http://hikarie.jp
所在地:東京都渋谷区渋谷 2-21-1
●東急シアターオーブ
http://theatre-orb.com
オープン:7月18日
●渋谷文化プロジェクト
http://www.shibuyabunka.com
●Creative Lounge MOV(クリエイティブラウンジ モヴ)
http://www.shibuyamov.com/
●ShinQs(シンクス)
http://www.tokyu-dept.co.jp/shinqs/
営業時間:10:00~21:00
カフェ&レストラン 11:00~23:00