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製造業

第197 号 工程間の流れを改善しよう

柿内幸夫─社長のための現場改善

 今年最後の社長の改善です。街を歩くとクリスマスの飾りでにぎやかです。普段は違う服装であったり、あるいはむき出しであったりする像もクリスマスの衣装をまとって街を温かくしているように思えます。

kaki197-1.gifkaki197-2.jpgkaki197-3.jpg

  さて、今回からレベル2の工程間の流れの解説をいたします。

 レベル0:ダンゴ生産

 レベル1:工程内の流れ

 レベル2:工程間の流れ

 レベル3:工場内の流れ

 レベル4:工場間の流れ

 レベル5:お客様への流れ

 レベル6:一気通貫の流れ

 先回までは「工程内」であった流れが、今回から「工程間」になります。「工程間」ということになると、それぞれの工程が持つ性格が全く違いますから、どうやって流れができるんだろうと不思議に思われる方も多いでしょう。

 例えば、プレス工程はロット生産であることが多いです。数秒に一個というすごいスピードでバンバンと同じ製品を生み出します。そして、もしその次が溶接工程であったとすると、溶接はかなりゆっくりのスピードでジージーと製品を完成させます。

 そのように、一個ができるのに要する時間はそれぞれの工程で全く違いますから、流れとしてはつながらないのです。実際には、プレス工程はロット生産で在庫を持って、それを溶接工程で一個一個作っていくということが普通のやり方でしょう。

 しかしここで大切なのは、それでも流れを追及するということです。すなわち、少しでも工程間の在庫を減らし停滞時間を減らすことができれば、前より流れが良くなると考えて、改善していただきたいのです。

 例えば、前述のような場合のプレス工程の改善としては、段取り替えの改善を行って、段取り時間の短縮をするのです。

 もし一回の段取り替えに20分かかっていたのが、改善によって半分の10分でできるようになれば、二倍の回数の段取り替えをしても生産性は維持できるということになりますね。そうすれば、一回の生産のロットサイズを半分にして、こまめに作るのが可能になります。

 この「こまめに」ということが重要です。時々、段取り替えの改善はしていても、その短くなった時間を段取り替えの回数を増やす方に使わないで、生産を増やす方に使っていますという会社を私は多く見てきましたが、やはり段取り替えの改善は、流れのレベル向上に使う方が効果が大きいと思います。(もちろん生産を増やすことも、時には必要とは思いますが…)

 なぜなら、在庫を減らすことにより、リードタイムは短縮し、場所もあくし運搬も減るし、管理も簡単になるという多くの面での効果が期待できるからです。

 ということで、段取り替えの具体的な改善実行方法を、次回以降にお話しいたします。

 さて最後に、今年最終号のコラムなので、この一年を振り返って、私の来年に向けての考えを書かせていただきたいと思います。

 私は今年、韓国と中国で工場を見る機会を得ました。両国においてナンバーワンと言われる二つの会社を見たのですが、両社共にすごい特長を持っていました。

 その特長の最たるものは、やはり「スピード」でしょう。意思決定のスピードについてはうわさ通りに速く、本当にびっくりしました。即断即決を若い人でも責任を持って行っています。

 残念ながら、日本の企業をそういう目で見ると、何とも遅いです。注意深いというのではなく、決められないでグズグズしているというような光景を多く見ます。

 拙速ではいけない…、と言われると確かにそうではありますが、やはり反省しなければいけないレベルの差が歴然とあるという実感を持ちました。

 もちろんこれは、私自身の反省でもあることは言うまでもありません。来年もしっかり勉強や訓練をして、高速時代に耐えられる実力をつけようと思います。

 それでは皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

kaki197-4.gif

copyright yukichi

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net 

 

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