東京スカイツリーは開業1カ月(5月22日~6月19日)で、周辺施設を合わせた来場者が目標(年間目標3,200万人)の2倍ペースとなる581万人と好調なスタートを切った。
7月10日までは完全予約制で入場者数を制限している展望台の「天望デッキ(350m、2,500円)」には35万人、その上の「天望回廊(450m、1,000円)」には25万人が上っているが、350mの天望デッキでも東京タワー(333m)よりも高い場所のため、天気が悪い時には雲の上になってしまうこともあり、梅雨時期で視界の悪い日には450mに上らなかった人が多かったと思われる。
私は6月中旬に2度上ったが、450m上空からの眺めは地上の建物から見ているというより、飛行機や飛行船、ヘリコプターなどに乗って上空から見ている感覚に近く、見えている景色に何となくリアリティが感じられない不思議な気持ちになった。
これは周囲に高い建物がなく、比較的近い錦糸町駅前やアサヒビールなどのビルも遥か下の方に見えるためのようで、これまで上った東京タワー(1958年オープン)の223mの特別展望台、新宿京王プラザホテル(1974年まで日本一番高いビル)最上階(47階)の有料展望台、横浜ランドマークタワー(70階296mで現在日本一高ビル)にある273mの展望台フロアや、一昨年に行った中国上海にある高さ492mの森タワー(上海ワールドフィナンシャルセンター)の474mの世界一高い展望台などからは、近くに高いビルなどがあったので、スカイツリーのような感覚はなかった。
スカイツリーの展望台には富士山や筑波山、高尾山など、遠くの山々が見渡せる秋から冬の晴れた日に当日券(2,000円)で上るのがよいと思われ、今の季節は浅草や錦糸町など近くてよく見える場所からや、客数が20~40%増えている隅田川の水上バスや屋形船、スカイツリーが見えるホテルの部屋など、外からスカイツリーを眺める方がよさそうだ。
高さ634mのスカイツリーは首都圏のかなり広域から見ることができるので、この夏は景色としてのスカイツリーを利用したプロモーションが有効だと思われる。
■都内大型施設
ゴールデンウィーク前から各所にオープンした都内の大型施設はどこも盛況で、渋谷ヒカリエは6月中旬までの来場者が450万人と、1カ月半で年間目標1,400万人の30%を集めているし、原宿の東急プラザ表参道原宿は開業1カ月で86万人(年間目標400万人)、お台場のダイバーシティ東京プラザ(年間目標2,500万人)はゴールデンウィークに100万人が来場している。
スカイツリーを含めて、今年は東京が全国から観光客を集める年となりそうで、都内の施設や店舗は、それらの人たちをどのように自分のお客にするかが今年のテーマだ。
======== DATA =========
●東京スカイツリー
http://www.tokyo-skytree.jp/
展望台営業時間:8:00~20:00
入場料:予約2,500円
当日:2,000円
7月11日より東京スカイツリー4階チケットカウンターにて発売。当日券は時間指定なし
450m天望回廊:1,000円
7月28日の隅田川花火大会(予備日7月29日)の営業時間やその他詳細は未定