日本経営合理化協会のブラジル視察旅行でサンパウロ、リオデジャネイロ、イグアスの滝などを視察してきた。
ブラジルは面積が日本の23倍、人口約2億人で、GDPはイタリアに次いで世界8位、南アメリカでは最大の経済規模だ。
最近のGDP成長率は2007年6.1%、2008年5.1%、2009年-0.3%、2010年7.5%、2011年2.7%で、今年は1~3月期+0.1%、4~6月期+0.5%で、8月発表の2012年見通しは1.9%に下方修正しているが、個人消費は1~3月期+2.5%、4~6月期+2.4%と強く、GDPに占める個人消費の割合も60%と多い(アメリカ70%、日本60%)。
一人当たりGDPは2009年8,472ドル、2010年11,089ドル、2011年12,789ドルで、この水準は90年代の韓国、台湾に匹敵(韓国、台湾は20年間で2倍になっている)するところまで来おり、中間層も50%と多い。
産業は鉄鉱石の輸出世界一、アルミニウム世界2位と資源が豊富で、世界の淡水の20%を有し農業生産も多く、粗糖、コーヒー、オレンジの生産が世界一、サトウキビから生産するバイオエタノールも世界一、大豆、トウモロコシ、牛肉が世界2位だし、製造業では自動車、航空機などが強く、ウォルマート、カルフールなども進出しており小売も盛んだ。
また、人口約2億人に対して携帯電話は2億4,500万台普及している。
観光では、世界3大瀑布の一つであるイグアスの滝(他の2つはナイアガラの滝、ビクトリア滝)やリオのカーニバルなどがあるし、今後は2014年にサッカー・ワールドカップ、2016年にリオデジャネイロオリンピックの開催が予定されている。
■イグアスの滝
南米には、ペルーの標高2,400mの山頂に建てられた空中都市「マチュ・ピチュ」、「ナスカの地上絵」、チリの「モアイ像」が立ち並ぶイースター島、エクアドルの「ガラパゴス諸島」など、60以上の世界遺産が登録されているが、今回はアルゼンチンとブラジル国境にある世界最大の滝「イグアスの滝」も訪問した。
サンパウロから1,500kmの場所にあるこの滝は、アルゼンチン側が1984年、ブラジル側が1986年に世界遺産に登録されている。
インディオの言葉でイグ=水、アス=大きいが語源だというが、大小270の滝からなり、上流側のアルゼンチン側と下流側のブラジル側から見てきたが、最大落差80メートル以上の「悪魔の喉笛」(Garganta del Diablo) はどちら側から見てもすごい迫力で、太陽が出ていると大きな虹が出て美しかった。
我々は日曜日に行ったので、地元の人も多く、滝の近くでは写真を撮るのもやっとぐらいに混んでいた。
日本人観光客は2月のカーニバル時期が最も多く、次いでゴールデンウィークや夏休みだというが、最近は9月に来る人も多くなっているという。
ヘリコプターで上空から眺めたり、ボートで滝の下に入ってみるツアーもあるようで、観光地としての設備も充実しているし、ホテルもたくさんあった。
日本からは地球の裏側で遠いブラジルだが、アメリカやヨーロッパからは比較的近いため、ワールドカップやオリンピックも含め、観光地としても注目したい。
======== DATA =========
●ブラジル概況(ジェトロ)
http://www.jetro.go.jp/world/cs_america/br/basic_01/
●イグアスの滝
http://www.intweb.co.jp/south_america/iguazu02.htm