- ホーム
- 社長のメシの種 4.0
- 第1回 トヨタe-Palette
米ラスベガスで開催されたCES(Consumer Electronics Show)のトヨタプレスカンファレンスに、1月9日登壇したトヨタ自動車の豊田章男社長は、「私はトヨタを、クルマ会社を超え、人々の様々な移動を助ける会社、モビリティ・カンパニーへと変革することを決意しました」と発言、その一つの形として「e-Palette」が紹介された。
「e-Palette」は移動、物流、物販など、多目的にカ活用できることが特徴のモビリティサービス(MaaS)専用次世代電気自動車(EV)で、屋台のような移動店舗、乗り合いタクシー(ライドシェア)、ホテル、レストラン、小売店、宅配便などの荷物車、3Dプリンタなどを利用するためのラボ、オフィス、試着室などの用途に使える。
お店やオフィスに行くのではなく、「e-Palette」に搭載されたお店やホテルが自動運転で自分のいる場所まで来てくれるという新しい発想の移動体で、CESではAmazon、DiDi、Mazda、Pizza Hut、Uberとの提携も発表された。
豊田社長は、この車両を含めたシステムを2020年代前半にアメリカを始めとした様々な地域でのサービス実証を目指すとともに、2020年には一部機能を搭載した車両で東京オリンピック・パラリンピックのモビリティとして大会の成功に貢献したいとも話した。
自動織機、自動車と時代を見据えて変化を遂げてきたトヨタが、モビリティ・カンパニーへの第一歩を踏み出した。
■2018 International CES
CESは元々は家電ショーで、1970年台はビデオカセットコーダー、1980年台はCDプレイヤー、1998年はハイビジョンテレビ、2001年はプラズマテレビ、2003年はブルーレイDVD、2008年は有機ELテレビなどが話題となったが、2010年のタブレット端末辺りからエレクトロニクス関連に関心が移り、昨年はAR(拡張現実)・VR(仮想現実)、IoT(モノのインターネット)、EV(電気自動車)が話題の中心だった。
今年のCESでは日本でも昨年末に次々と発売されたAmazonEcho(Alexa)、GoogleHomeなどの「スマートスピーカー」関連サービス、ここ2〜3年最も関心が高い人工知能(AI)、ヘルスケア・フィットネス機器などが注目されると思われたが、蓋を開けてみると世界の主要自動車メーカーやサプライヤーが軒並み顔をそろえ、コネクティビティー(接続性)、オートノマス(自動運転)、シェアリング(共有)、エレクトリック(電動化)などの次世代自動車技術が最も注目された。
自動車(Automobile)はその名の通りモバイル機器で、移動手段を含めて新たなモバイル時代の幕開けとなったCESとなった。
======== DATA =========
●トヨタ
●e-Pallet(YouTube動画)
●2018 International CES