2023年に入り、1年前に時価総額が3兆ドルを突破したアップルが2兆ドルを割り込むなど、米株式市場は下落で始まった。
昨年2022年は年間でNYダウが8.78%、S&P500が19.44%、ナスダックが33.10%、日経平均が9.37%の下落、全世界の主要株価指数を総合したMSCI世界株価指数も18.7%下落するなど、コロナバブルが崩壊して世界の株式市場で時価総額が14兆ドル減少する一年となった。
中でもメタ・プラットフォームズとテスラの株価は60%余り、アマゾン・ドット・コムが50%、グーグル(アルファベット)が40%の下落となり、巨大ハイテク企業の時価総額は3兆6,000億ドル減少した。
コロナバブルで最も値上がりした暗号資産(仮想通貨)は交換所大手のFTXが経営破綻し、バンクマンフリードCEOが詐欺と顧客資金の不正な移動の罪で起訴されるなどもあり、下落は株式市場より大きく、2021年11月に68,000ドル台の最高値を付けていたビットコインは2022年に64%(46,440ドル→16,550ドル)下落、暗号資産全体の市場規模は1兆4,000億ドル縮小した。
米S&P500は、この100年余りで2年以上連続で下げたのは4回(1929年世界大恐慌、第2次世界大戦、1970年代の石油危機、2000年のITバブル崩壊)しかないが、その4回はいずれも2年目の方が下げ幅が大きい。
2009年から2021年末のピークまで米S&P500は600%(7倍)も上昇、これには米、英、ユーロ、日本の中央銀行がコロナ対策で出した11兆ドル以上の金融緩和(QE)資金が寄与しており、昨年から始まった量的引き締め(QT)が株価下落につながっている。
■次の主役
米株式市場が3年連続で下落した2000〜2002年のITバブル崩壊の時期に、新たな企業として登場してきたのがグーグル、アマゾン、セールスフォースなどで、コロナバブル崩壊の今後にも「次の主役」が出てくる。
2022年はサッカー・ワールドカップ・カタール大会でカメラ、センサーとAIによるVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が市民権を得たり、文字で指定するとAIが絵やイラストを書いてくれる「Stable Diffusion(ステーブル・ディフュージョン)」、質問に対して自然な文章で答えを返すAIの「ChatGPT(チャット・ジーピーティ)」などが話題となったが、これからの世の中はAIを利用するのが当たり前になる。
インターネットを利用して検索、販売、マーケティングなどを行う企業が成長したように、今後はAIを利用して急成長する企業が出てきそうだ。
======== DATA =========
●NYダウ
https://finance.yahoo.co.jp/quote/%5EDJI/chart
●S&P500
https://finance.yahoo.co.jp/quote/%5EGSPC/chart
●ナスダック
https://finance.yahoo.co.jp/quote/%5EIXIC
●MSCI世界株価指数
https://finance.yahoo.co.jp/quote/1554.T/chart
●ビットコイン
https://finance.yahoo.com/chart/BTC-USD/