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- 第54回 EC売上急増
今年の前半は、世界中が新型コロナウィルス「Covd-19」感染拡大防止のためにロックダウンや緊急事態宣言発令などを行い、外出規制や店舗が閉鎖され、ネット販売が急増した。
3月中旬からのアマゾンの検索上位は、トイレットペーパー、手指消毒液、消毒シートなど、コロナ関連商品となっていたが、アマゾンの2020年第1四半期の売上高は前年同期比26%増となった。
アマゾンは対応のために従業員17万5,000人を採用する計画を決定し、雇用・研修プロセスはほぼ完全にリモート化したようだが、実際の職場は倉庫内などの作業が多いため、感染も起こり、売上急増には苦労も伴っている。
CosmeKitchen(コスメキッチン)などを展開して、ナチュラル&オーガニックな化粧品を販売しているマッシュビューティーラボのプライベートブランド「トーンto/one)」も、自粛期間中に毎日行ったインスタライブ(インスタグラムのライブ動画配信)などによりEC(ネット販売)売上が12倍に急増、4月の売上が前年同月比25.4%増の9,600万円、5月が35.5%増の1億1,000万円となり、ECが店舗売り上げを上回った。
インスタライブでは、PR担当者やブランドのトレーナーが製品の特徴や使用方法などを紹介、それにより製品がECで売れる流れができているが、テレビショッピングに代わる次世代の通販として、コロナ後も定着しそうだ。
■店舗閉鎖
このところ増えている実店舗の閉鎖はコロナショックにより加速しており、ファストファッション売上トップのスペインの「ザラ(zara)」などを展開するインディテックス(INDITEX)社も、2021年までに1,000〜1,200店(2020年4月末時点:7,412店、16%程度)を閉店すると発表した。
2020年2~4月期の決算で、純損益が4億900万ユーロ(500億円)の赤字(前年同期7億3,400万ユーロの黒字)に転落したことで加速したようだが、ZARAは6年前から店舗とオンラインストアの完全な統合を目指して店舗の整理統合を行ってきた。
これは、ネットで注文して店舗で受け取ったり返品したりできる、「クリック&コレクト」サービス機能がある広い面積を持つ大型旗艦を一等地に構える戦略で、4つの店舗を1つの旗艦店に再編したスペインの事例では、売上げは以前の4店舗の合計を上回り、在庫は20%削減できているという。
コロナ後の世界は以前とは別の世界だと考えることが必要で、実店舗とECをどのように組み合わせて販売してゆくかが今後の鍵となりそうだ。
======== DATA =========
●Amazon offering 125,000 full-time jobs to seasonal employees
https://blog.aboutamazon.com/operations/amazon-offering-125-000-full-time-jobs-to-seasonal-employees
●トーン(to/one)
●トーン(to/one)インスタ
●ZARA