ビットコインは今年6月30日に6.28%下落して1万8,922.55ドルと1万9,000ドルも割り込み、4〜6月の四半期ベースでは期初の45,000ドル台から58%下落、黎明期の2011年7〜9月(15.40ドルから5.03ドルに67%下落)以来11年ぶりの大幅な下落を記録した。
暗号資産だけでなく、NYダウ、S&P500、ナスダックの米株式3指数は月間ベース、四半期ベースともにマイナスを記録、上半期ではNYダウとS&P500が1962年以来、ナスダックは過去最大の下落となり、「コロナバブルの崩壊」が始まっている。
2021年に価値が4倍以上に高騰したビットコインなど、最も上がったものが最も下がるという典型的なバブル崩壊の様相を呈しており、世界全体の暗号資産の時価総額は昨年11月のピーク(3兆ドル弱)から70%減少した。
■マイニング(採掘)
ビットコインなどの暗号資産は、「ブロックチェーン」という暗号技術を使って取引履歴(ブロック)を鎖(チェーン)のようにつなげて記録し、データを共有、監視し合って不正や改ざんを防いでいる。
取引が発生すると、ブロックチェーン上に「いつ、誰が、どれだけ」取引したのかを記録する新しいブロックを生成するための数値計算が必要で、それを最初に行ったものに報酬として新たなビットコインが支払われる「マイニング(採掘)」という仕組みがある。
ビットコインは金をモデルに作られ、発行上限枚数(総資金量)が2,100万枚と決められていることから、金(これまでの採掘量18万トン、2019年時点の埋蔵量5万トン)の採掘と同様に、困難な計算作業は「マイニング(採掘)」と呼ばれている。
2021年はビットコインが急騰したためマイニング業界も急拡大、マイニングの数が増えるとビットコインを生成する難易度も上昇する仕組みのため、マイニング業者は機材・装置を担保に融資を受けて、より高性能な機器を購入していた。
今年に入り暗号資産が暴落したため、融資の返済に困ったマイニング業者は獲得した額以上のビットコインを売却している。
■オンライン送金
ビットコインなどの暗号資産は、政府や中央銀行など中央の金融当局に管理されない自由な通貨として設計され、仲介なしで利用者同士がオンライン送金することが可能なため、犯罪者や過激派集団などにも利用されるが、混乱や紛争地帯では有効な送金手段となっており、大半の国民が銀行口座を持っていない、5月に大地震に見舞われたアフガン東部の被災者への送金にも使われている。
「コロナバブル」による暗号資産の暴騰や暴落と、「ブロックチェーン技術」がもたらす新たな時代の展望は分けて考える必要がある。
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●ビットコイン・相場チャート
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