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- 第49回 在宅勤務、学校休業でネット通信量が増加
新型コロナウイルスの感染拡大により、外出禁止や在宅勤務が世界で拡がっているが、各社から発表されているデータにもそれが反映されている。
日本では3月23日の週の平日・日中のネット通信量が2月上旬と比べ最大40%増加(NTTコミュニケーションズ)、世界のデータ通信量は1~3月に前年同期の2倍以上となる毎秒160テラ(兆)ビットを記録(米アカマイ・テクノロジーズ)した。
感染者が世界で最も多いアメリカでは、インターネット通信量が32%増加し、中でもシアトル、サンフランシスコ、シカゴなどの大都市では60%増加、通信を暗号化する仮想プライベートネットワーク(VPN)通信も40%近く増加したほか、ゲームのダウンロード数も50%〜80%増加(米コムキャスト)している。
スマートフォンの利用も増えており、2020年第1四半期に全世界のアプリストアの売上が234億ドル(2兆5,400億円)と、四半期としてこれまでの最高を記録(App Annie)、アメリカで2020年3月16〜22日に9〜15時にテレビを見た人は34〜35%と、2019年3月18〜24日の25%から大きく増えている(米Comscore)。
■日本での外出自粛
Googleが4月3日に公開した、人々の行く場所と滞在時間が新型コロナウイルス感染拡大でどのように変化したのかをまとめた報告書「COVID-19 Community Mobility Reports」を見ると、日本では駅(Transit stations)が41%減、小売・娯楽施設(Retail & recreation)が26%減、公園(Parks)が25%減と減少幅が大きく、仕事場(Workplaces:9%減)や食料品店・ドラッグストア(Grocery & pharmacy:7%減)は減少幅が小さめだが、住宅(Residential)は7%増で、全カテゴリーで東京の増減幅が最大となっている。
3月28~29日の隣接4県(神奈川、千葉、埼玉、山梨)からの移動自粛要請の影響を見ると、前週比で神奈川48.1%減、埼玉44.5%減、千葉42.5%減、山梨34.3%減と流入が大きく抑制され、渋谷区の流入人口も2月1~2日に比べ3月28〜29日は53.3%減と半分以下(Beacon Bank)となった。
4月に入っても東京を始めとして感染者の拡大傾向は止まっておらず懸念が拡がっているが、新型コロナウイルス保有者は、最初に症状が出てから5日間でウイルス濃度がピークに達して感染力が最も高いとする研究(ドイツ・ミュンヘンの研究チーム)も発表されており、今後は外出自粛の効果が現れてくることを期待している。
■メンタルヘルス
在宅勤務や子どもの在宅学習が大規模に実施されている中国では、3月初めにロックダウン(都市封鎖)が解除されて以来、離婚手続きが急増し、家庭内暴力の事例も急増したという。
家族や他の人間から離れて長期間過ごす宇宙飛行士は、睡眠障害、動悸、不安、気分のむらに苦しむというが、自宅で一人で過ごす時間が長くなった人にも孤独感、不安などがもたらされる場合がある。
企業は在宅勤務のやり方、ノウハウなどとともに、社員のメンタルヘルスへの配慮も必要だ。
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