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第50回 3Dプリンタによる医療器具製造

社長のメシの種 4.0

 新型コロナウイルス「COVID-19」のパンデミック(世界的大流行)はマスクを始め医療器具不足をもたらしているが、3Dプリンタを利用してこれを解決する動きが各国で始まっている。
 
 3Dプリンタによるマスク製造は世界で始まっており、アメリカではFDA(米食品医薬品局)が、医療従事者を新型コロナウイルスから保護するための規制基準を満たす3Dプリント製マスク(VHA Innovation Ecosystem 開発)を、1週間で承認するなどの迅速な対応も計られている。
 
 日本では、3Dプリンタも販売している「イグアス」社が、繰り返し利用可能な独自の3Dマスクを開発してマスクの設計データを無償で公開、チリに本社がある抗菌ナノ材料を開発する「Copper 3D」社は、マスクのデータ「NanoHack」を無料公開して多くのユーザーがマスクを生産出来るようにしている。
 
 シアトルの子供医療センターなどと協力して制作された、空気清浄機のメインフィルタなどに用いられる、HEPAフィルタを使ったマスクを無償で提供する非営利団体の「MakerMask」や、微生物を含む外気から装着者を守るために使用する「N95マスク」の3Dプリントファイルを公開している米アリゾナ州の「The Barrow Innovation Center」などもあり、3Dプリンタが今後は大きく脚光を浴びる存在になりそうだ。
 
■パリ「3D COVID」プロジェクト
 フランスでは、4月1日からパリ市内のコチン病院(Cochin Hospital)横の公園に、60台の3Dプリンタを設置した「ミニ工場」を設け、医師や看護師、その他医療従事者から要望のあるバルブ、注射器のプランジャー(内筒)、挿管、人工呼吸器の器具、硬質マスクなどを生産する「3D COVID」が始動した。
 
 器具の種類や複雑さにもよるが、1日に300個、週に最大で3,000個の物品を生産できる見込みだ。
 始動後は24時間体制で生産する予定で、比較的シンプルなポンプ装置の部品、人工呼吸用マスク、防護眼鏡、感染リスクを減らすために、肘で開けられるよう特別設計されたドアの取っ手などから始めるという。
 防護服など3Dプリンタでは生産できない装備品もあるが、必要とされている物品の4分の3は3Dプリンターで生産可能だという。
 
■イタリア
 新型コロナウイルス感染で最も大きな影響を受けた国の一つであるイタリアでは、3Dプリンタに特化したスタートアップ企業イシンノーバ(Isinnova)に勤めるアレッサンドロ・ロマイオーリ(Alessandro Romaioli)氏が、人工呼吸器に不可欠な人工呼吸弁(ベンチュリバルブ)を3Dプリンタで作り、病院に供給している。
 
■電源なしの人工呼吸器
 日本でも、3Dプリンタで製作した人工呼吸器の実用化を目指したプロジェクト「COVIDVENTILATOR」が進んでいる。
 これは電源なしでも作動させることができ、インターネット接続環境と3Dプリンタがあればその場で製造できる人工呼吸器で、2017年1月に、国際宇宙スターションにデータを転送して部品を出力する実験も行っており、無重力下でも動作可能となっているため、地域を選ばず活用できることが最大の特徴だ。
 
 医療機器である人工呼吸器は、医療機器製造販売の承認を得る必要があるため、現在はその準備をしているが、このプロジェクが進めば、データ転送だけで世界で人工呼吸器が作れるため、今後が期待される。
 
 
======== DATA =========
 
●VHA Innovation Ecosystem
 
●イグアス・マスク不足を解消 3Dマスクを開発
 
●チリ・NANOHACK 2.0
 
●MakerMask
 
●The Barrow Innovation Center
 
●3D COVID(パリ)
 
 ●ISINNOVA(イタリア)
 
●3Dプリント人工呼吸器モデル(3D Printable Ventilator model

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