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- 第245号 1,122 万人
この数字は、クラウドソーシングサービスを提供しているランサーズが発表した日本国内のフリーランス人口である (2017 年調査)。過去12 ヵ月に仕事の対価として報酬を得た全国20~69 歳男女(3,095 人)を対象に「フリーランス実態調査」を実施。3 年前から行っているこの調査で、広義のフリーランスの数が 1,122 万人と昨年度対比で105%という結果になり、速いスピードで増加していることが明らかとなった。フリーランスの働き方としては、下記の通り4つのタイプに分けられ、とくに副業系すきまワーカーの急増が目立っている。
(1) 副業系すきまワーカー(458 万人) ……常時雇用されているが、副業としてフリーランスの仕事を行う
(2) 複業系パラレルワーカー(276 万人) ……雇用形態に関係なく、2 社以上の企業と契約ベースで働いている
(3) 自由業系フリーワーカー(61 万人) ……特定の勤務先はないが、独立したプロフェッショナル
(4) 自営業系オーナー(326 万人)……個人事業主・法人経営者で、1 人で経営を行っている
日本最大級のクラウドソーシングサービス『ランサーズ』を運営している同社では、今夏より高い専門スキルを持つフリーランサーに良質の仕事を紹介するサービス『Lancers Top』を開始している。これは、ランサーに実名で登録してもらい、事前審査も実施して保有するスキルを見える化。面談も行うことで、依頼する企業の信頼度を高めるサービスを強化してスキルシェアに本格参入するなど、複数のプラットフォームを新設している。
現在、このようなオンラインで働くフリーランス(クラウドワーカー)は155 万人で、フリーランス全体に占める割合は14%に留まっている。一方、アメリカでのオンライン化率は 54%と半数強を占めており、今後、日本国内でもオンラインで働くフリーランスが伸びる余地は大きいとみられる。
日本の総人口は約1 億2,700 万人、そして労働力人口は6,560 万人。これらの数字を並べてみると、フリーランス数が 1,122 万人というのはインパクトのある数字だ。政府が推進する「働き方改革」では、情報通信技術を活用して、時間や場所の制約を受けずに柔軟に働くテレワークの拡大と、兼業・副業を推進している。少数精鋭・事業効率化を追求する中小の通販会社とって、優秀なクラウドワーカーの獲得と育成は、これから重要な業務の一つとなるだろう。