ChatGPTが登場してから1年たったが、企業でも個人でも世界で生成AIの利用が急増、大きな変化が起きる兆しが見え始めている。
2022年は欧米がインフレ抑制の利上げを行ったこともあり株価が下落、ハイテク企業の多いナスダックは年間で33%の下落、ハイテク企業の大量リストラも続き、ChatGPTが発表される直前の11月にはセールスフォース(950人)、シスコシステムズ(4,100人)、ヒューレット・パッカード(6,000人)などがレイオフを実施した。
ところが11月30日のChatGPT発表でAIブームが起こり、一転して今年はハイテク企業の株価が上昇した。
この1年で生成AIChatには画像生成、音楽生成、ネット検索の利用など新たな機能が次々に登場し、利用範囲が広がっている。
ChatGPTプラス(月額20ドルの有料版)には「DALL-E3」という画像生成機能が追加され、文章で指示すると描きたい画像を生成してくれる。
もちろん最初から希望通りの画像は出てこない場合が多いが、更に詳細について指示をして改良していくと、ある程度満足のいく画像にまで仕上げられる。
Google傘下の英DeepMind社が発表した音楽に特化した生成AI「Lyria」では鼻歌を入力すると音楽にしてくれ、音楽のジャンルや雰囲気、トピックを入力し、ボーカル元のアーティストを選択するとその歌手が生成された曲を歌ってくれる。
Googleの生成AIチャット「Bard」は、YouTubeからリアルタイム情報を取得して動画の概要、長い動画のどの当たりで目的の情報が得られるかなどを答えられるようになった。
■AIでCMモデル、パッケージ制作
ペットボトル飲料などを製造・販売している伊藤園が9月に発売した「お~いお茶 カテキン緑茶」のテレビCMには、日本初の「AIモデル」が起用されて話題となったが、ペットボトル飲料のパッケージデザインにもAIが活用されている。
商品デザイン用の画像生成AIサービスを使って通常3週間ほどかかるパイロット版画像をAIが3日間で生成、このデザインをデザイナーが作成しなおして完成させた。
生成AIの活用により、短時間で大量の多様なアイデアの創出が可能になり、デザイン開発の期間を大幅に削減できたという。
また、話題になったAIモデルは、30年後の白髪から現在の姿に戻って「未来を変えるのは、今」を表現している。
移動に自家用車を使ったり、工事現場で重機を使うように生成AIを利用して効率を上げるのは当たり前になってゆくと思われる。
======== DATA =========
●DALL-E 3
https://openai.com/dall-e-3
●Google DeepMind Music AI Tool(鼻歌→オーケストラ)
https://www.youtube.com/watch?v=aC8I2YvL6Uo&t=21s
●Introducing Dream Track(歌手が生成曲を歌う)
https://www.youtube.com/watch?v=1gjuHUy0IMM
●お~いお茶 カテキン緑茶
http://www.itoen.jp/oiocha/catechin/
●お~いお茶 カテキン緑茶TVーCM 「未来を変えるのは、今!」篇
https://www.youtube.com/watch?v=DEoG1NCdmdY