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- 第64回 バーチャルインフルエンサー
マスメディアなどを使った広告・宣伝に加え、購買行動に強い影響力を及ぼすインフルエンサー(influencer)の活用が注目されている。
インフルエンサーにはテレビなどでも有名になっているHIKAKIN、フワちゃんなどの動画サイトで活躍するユーチューバー(YouTuber)や、写真共有サイト・インスタグラムで人気のインスタグラマー(Instagramer)などがいるが、最近はCG合成されたバーチャル・インフルエンサーも登場している。
海外では伊「プラダ(PRADA)」や米「カルバンクライン」などのファッションブランドに登場している「Lil Miquela(リル・ミケーラ)」がインスタグラムなどに280万人以上のフォロワーを持ち、1件8,500ドルで投稿したり、今年オンラインのみで行われた米ロックフェスティバル「ロラパルーザ」にミュージックビデオで参加するなど活躍している。
新型コロナウイルス感染拡大によるリアルイベントの中止などもあり、今年に入りYouTube上には5,000以上のバーチャルインフルエンサーが登場、本物の人間と間違えるようなリアルなものからアニメに近いものまでいろいろだ。
この状況は、今年末までに全世界で25億6,000万人を超えると見込まれる2000年以降に生まれた「ジェネレーションZ」と呼ばれる世代によるとする分析があり、「ジェネレーションZ」に「ミレニアル世代」(20代前半〜30代後半)を加えると、アメリカだけで3,500億ドルの購買力を持つとされている。
■バーチャルガール「Ella(エラ)」「imma(イマ)」
このような中で、ウォルト・ディズニー・ジャパンはインスタグラムを中心に活動していくバーチャルガール「Ella(エラ)」を10月23日にデビューさせた。
「Ella」は「ディズニー好きの女の子」という設定で、ディズニーの情報を中心に発信してゆく予定とされているが、ディズニーランド内での写真やミッキーマウスのぬいぐるみを持った写真なども掲載されているものの、ハロウィンやランチ写真など普通の女性インスタグラマーのような写真もあり、知らなければCG合成されていることを気づかないかも知れない。
「Ella」のCGは、日本初のバーチャルモデル「imma(イマ)」を手掛けたバーチャルヒューマンカンパニー「Aww」の「MASTER MODE」という技術で製作されたもので、2018年にデビューした「imma」はポルシェ、フェラガモ、ヴァレンティノ、SK-II、IKEA、Amazon Fashionなど、有名グローバルブランドのキャンペーンにも起用されている。
今年6月8日にJR原宿駅前にオープンした IKEAの日本初「都心型店舗」であるIKEA原宿の英語版ホームページには「 immaの部屋」が掲載され、「imma」の生活を垣間見ることができる。
これらのバーチャルモデルのCG制作にはまだ時間とお金がかかるが、将来的にはコストが下がり人間のインフルエンサーよりも安くなると考えられるし、老化もスキャンダルも死亡もなく、一度に多くの場所に現れることができ、100%コントロール可能なので、コロナ後の世界ではバーチャルインフルエンサーの活用が拡大しそうだ。
======== DATA =========
●Lil Miquela(インスタグラム)
●ella.imagination(インスタグラム)
●imma(インスタグラム)
●imma(TikTok)
●IKEA Harajuku with imma(文章は英語)
●Aww
●HIKAKIN
●フワちゃん