今年2022年は世の中が「正常化に向かう年」だと考えている。
「正常化に向かう」というのは、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)という異常な状態から日常を少しずつ取り戻してゆくということで、マスクや手洗い、消毒などは継続するものの、オフィスでの仕事、学校での授業、旅行、外食などができる状態になることだ。
しかし、コロナ禍で普及が加速したZoomなどを使ったオンラインミーティングや在宅勤務(テレワーク)、人と人の接触を少なくする電子決済、ロボットを使った自動化などは、今後も定着すると考えられる。
また、最も「異常な状態」である、各国政府による積極的な財政・金融政策がもたらした「コロナバブル」も解消に向かい、結果的に株価下落などが起こる可能性もある。
新年に際し、自社や社会での「異常な状態」「異常なもの」は何かを考えてみることも必要だ。
■Sonyの新EV試作車
毎年1月に米ラスベガスで開催されるCESは、去年のオンライン開催に続き今年もGoogle、Amazon、Microsoft、Meta(旧Facebook)、TikTok、Twitter、Intel、GMなどが出展を中止し、リアルとオンラインのハイブリッドで開催されたが、Sonyが新型の電動SUV試作車「VISION-S 02」とともに電気自動車会社「ソニーモビリティ」の設立を発表、家電メーカーとして初めてEVの生産を始める可能性が示された。
吉田社長は「Sonyの持つ技術やノウハウを活かせる領域を拡大する」ことに取り組んでおり、EV生産もその一環と思われる。
CESではトヨタが2018年に「自動車生産会社からモビリティカンパニー」への転換を宣言したり、2020年に静岡県裾野市の東富士工場跡地に「Woven City(ウーブン・シティ)」というスマートシティの実証実験を計画するなど、日本企業の次の時代に向けた取組も発表されている。
コロナ禍で新しい時代の到来が早まったと思われるが、2022年は目の前の異常な状態への対応だけでなく、これからの時代に向けた新たな方向性を打ち出すことが必要と考えている。
======== DATA =========
●CES 2022
https://www.ces.tech
●Sony@CES 2022: Virtual Production(バーチャルプロダクション : クリエイターのビジョンを実現する新しい映像制作)
https://www.youtube.com/watch?v=zSDoVT5w2oI
●Sony@CES 2022: VISION-S 02 | Concept Movie
https://www.youtube.com/watch?v=3jZmLIe_vEA