menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

税務・会計

第12回 部門別損益計算では、現場の意思が入っていない

新・会計経営と実学

ある製造業を営む会社では、部門別損益を出し、毎月1回経営会議を行っています。
しかし、その会社の各部長は、
「経理が作った数字はよくわからないし、答えようがありません。うちの会社のスローガンに
 “売上最大”とあるけれど、うちの部門には売上がないからどうしようもないですよ」
と、他人事のようです。

部門別損益計算では、この部長が言うのも無理はないのです。
部門別損益計算と部門採算経営とは、似て非なるもので、今回は、両者の違いを詳しく説明したいと思います。

下の図を見て下さい。

tam1112.jpg

一番大きな違いは、部門採算経営(表の右側)では、営業にも製造にも売上が計上されている点です。
前回説明しましたが、製造部門がお客様に売る価額で売上を計上し、営業部門に営業口銭(コミッション)を
支払います。営業部門では、その営業口銭を自部門の売上とします。
そのことによって、全社員が「売上最大・経費最小」に向って動き出し、利益を追求するようになるのです。

一方、部門別損益計算(表の左側)では、製造に売上がありませんので、全社員に統一した目標がありません。
営業は「売上最大」を、製造は「経費最小」というバラバラの目標で、会議をせざるをえないのです。


もうひとつの違いは、損益資料の作成過程にあります。
部門別損益計算では経理が独自に進めていくのに対し、部門採算経営では経費の配分や社内売買価格に
ついても、各部長が意見を出し合って採算表を作っていきます。

例えば、毎月の経営会議の場において
「この経費は人数で配分されていますが、私たちの部門では実際のところ、この額まで使っていません。
 実際に使った金額で配分して下さい!」
というような意見が飛び交います。

また、社内売買価額についても、関係部門が協議に協議を重ねて決めていきます。


このようにして、半年間経営会議を行っていけば、現場の意思が入り、各人が納得した損益資料が
でき上がってくるのです。

その結果、
「数字だけポンと見せられても、わかるはずがないですよ!」
と言っていた部長が、
「売上や経費の内訳明細を見せてもらって、どこからどれだけ金をもらい、
 どこにどれだけお金を払っているかが、よくわかった。
 損益資料をつくる段階で、徹底的に納得するまで意見を言ったので、数字がお金に思えてきて、
 自分の会計簿と同じように見えてきた。今までは部下にも"何個作れ"としか指示出来なかったが、
 今はどうすれば利益がでるのかを語れるようになった」
と、自信を持って話すようになるのです。

みなさんの会社でもぜひ、このような部門採算経営を実践していただき、
部門のリーダーの顔が、経営者の顔に変わり、燃えるような社員が渦を巻いて集まってくる経営会議を
実現していただきたいと思います。

第11回 部門別採算表のフォームを決める前のページ

第13回 大きくなれば会社と風船は壊れてしまう次のページ

関連記事

  1. 第7回 会社の中を見える化すれば、経営がわかる

  2. 第26回 第2回経営会議の進め方

  3. 第9回 部門別採算表のつくり方 (その1)

最新の経営コラム

  1. 第169回 「達人に学ぶ①アパホテル 元谷拓さん」

  2. 第4講 まず、担当者がお客様との正しい関係に合った対応をすること!

  3. 第19回 成長するフィンテック企業の戦略 ~ クラウドファンディング Makuake ~

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 戦略・戦術

    第97話 M&A 立ち会って思う事 その(2)
  2. サービス

    第142話 《仙台に行ったらわざわざ行きたい寿司屋》分福寿司 @仙台市太白区
  3. 戦略・戦術

    第11回 日本人の特性にあった継続経営チェックポイント
  4. 戦略・戦術

    第三十八話 勝ち残る学習塾の差別化戦略 その1.退塾を減らす方法
  5. マネジメント

    逆転の発想(43) 柔軟な対応こそ真の一貫性(中曾根康弘)
keyboard_arrow_up