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社員教育・営業

第69回「話の聞き方」

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

「話の聞き方
◆「コミュニケーションをテーマにした社員教育の方法」◆

 
今号からは、コミュニケーションスキルの中でも重要なポイントである「話の聞き方」について考えていきましょう。

話の聞き方は、通信教育「コミュニケーション・スキル講座」の教材でも、大きく時間を取って解説させていただきました。それだけ話の聞き方はコミュニケーションにとって、また、仕事の基本にとっても、大事な実務になります。ぜひ、しっかり身につけて、聞き上手を目指してください。

それでは「話の聞き方」の本題に入ります。
よい聞き方には、コツがあります。聞き方次第でその後の仕事の出来ばえが変わってしまいます。聞き方にA、B、Cとランクをつけたら、仕事の出来ばえも比例してA、B、Cになるということです。

よい聞き方の大きなポイントは、「相手」に興味を持って相手の話の相槌(あいづち)を打ちながら聞きます。具体的には相手の目を見ながら(電話の場合は受話器から聞こえてくる声の主が目の前に居るとはっきりイメージして応対します)、うなづいたり受け答えをします。これによって相手はとても話しやすくなり、笑顔さえわいてきます。言い方を変えると、「相手が主役、自分は脇役」と思って応対すると良い結果につながります。

では、まず言葉としての相槌の種類を申し上げます。

①同 意
「はい」、「ごもっともです」、「さようでございますか」、「かしこまりました」、「おっしゃる通りです」

②共 感
「すばらしいですね」、「勉強になります」、「それは大変でしたね」、「私もそのように感じます」、「間に合ってよかったです」

③驚 き
「びっくりしました」、「たった○分でですか」、「初耳です」、「奇跡的ですね」、「さすが○○さん」

④話を促す
「○○はどのような状況ですか」、「なるほど…、それから…」、「さようでございましたか、存じませんで申し訳ございませんでした。では現在は?」、「○○様その先をぜひ教えてください」

私の中で状況設定をして例文をあげましたが、ぜひ自社の職種で状況設定をして、よく利用する言葉をお作りください。状況に合わせて使えるのでとても便利です。平行してまわりの人のお手本になった相槌の言葉を書き溜めるのも良い勉強になります。

ただ注意していただきたいのは、若い社員の方々が日常使っている「本当ですか?」という言葉です。相槌として悪気なく「本当ですか」とあまり抑揚もなく使われますが、相手に「私はウソを言ってませんよ」と思わせる危険がとても大きいです。ビジネスシーンではNGと覚えておいてください。

以上のこととは別に相手の話を繰り返すことで効果の高い相槌ができます。おうむ返しと言ってますが、大事なのは相手の話を即座に自分の言葉に置き換えて意味を繰り返すと理解してください。より効果があります。

「これからお天気がくずれるそうですよ」
①(×)「そうですか」

②(△)「お天気がくずれるのですね」
 
③(○)「お天気がくずれるのですか、最近、天候が不安定ですね」

②は相手の話をきちんと受けとめています。③はさらに自分お解釈も入っていて、相手がその言葉を聞いて、さらに話が繰り広げられる可能性も含んでいます。


次にうなづき方です。話を聞きながら、うなづく時に、やや深くうなづくと納得の度合いを示すことができます。
うなづく回数が多ければいいとは限りません。回数は多すぎず、少なすぎずが大切です。速度は相手の話すスピードに乗せる感じが良いでしょう。さらにこの時、にこやかな笑顔とアイコンタクトを同時進行で行います。「今までの内容は分かりました。さらに続く言葉を私は興味深く待っています」が相手に伝わります。相手はあなたのために、よりモチベーションを持って話続けてくれます。電話応対だけではなく、来客時の接客にも、営業マンの商談でも、上司への報告・連絡・相談にも効果的です。

私は研修の中で、ペアになって「相槌の大切さ」を体験していただいております。

一回目は相槌がまったくなしで、お互いが順番に一分間のフリートーキング。お互いの笑顔もなく話すトーンもだんだん低くなってきてしまいます。
二回目は好きなだけ相槌をしてもらい一回目と同じ話をしていただきます。するとどうでしょう。急に会場に笑顔があふれ、話し声が楽しそうに響いてきます。この体験をさせるだけでも相槌はよい聞き方になくてはならないスキルだと気づくはずです。ぜひ、社内で研修する際にも一度、お試しください。相槌の大切さが実感、共有させられると思います。
 

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