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第95回 《ファクトリア》で工場を造って「働き方改革」を追い風にしよう!
~労働環境の改善なくして定着率向上も生産性向上もなし~

次の売れ筋をつかむ術

「働き方改革」の施行が待ったなし!
 
人手不足が最も深刻な中小企業の工場を元気にする確かな方法があった!!
 
 
●2019年4月より「働き方改革」が施行
 
 
 
2018年6月29日の国会で、「働き方改革関連法案」(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案)が成立した。
 
 
 
同法が2019年4月から施行されることにより、残業時間の上限は、「原則月45時間、年360時間」(繁忙期:年720時間、月100時間未満)と定められ、違反した企業には罰則が科せられる。
 
 
 
あらゆる業種の企業が施行に向けて、社内の制度やシステムの変更・修正に躍起になっている。
 
 
 
●慢性的な人材不足で「人手不足倒産」が後を絶たず
 
一方、労働力人口が継続的に減少する中、慢性的な人材不足がさらに深刻度を増している。
 
厚生労働省が、2018年10月30日に発表した9月の有効求人倍率は、前月より0.01ポイント高い1.64倍になり、1974年1月以来、44年8カ月ぶりの高水準を記録した。
 
 
 
人手不足が一向に収まらず、いわゆる「人手不足倒産」が後を絶たない。
 
帝国データバンクが2018年10月9日に発表した2018年度上半期(4~9月)の「人手不足倒産」は76件の発生で、負債総額は110億4200万円だった。
 
 
 
企業倒産の全体件数(4012件)は、前年同期を4.4%下回ったものの、「人手不足倒産」は40.7%と大幅に増加し、2年連続で前年同期を上回った。
 
増加率も2016年度下半期(42.4%増)以降、連続で2ケタを超えている。
 
 
 
●人手不足が最も深刻なのは中小製造業の工場だ!
 
中でも、人手不足の最も深刻さが増しつつあるのが、「ものづくり大国・日本」を支える中小の製造業だ。
 
今回の「働き方改革」では、建設業・運輸業・医師に関しては、2024年4月から他業種と同様の上限規制が適用されることとなり、5年の猶予期間が認められている。
 
しかし、同様に、いわゆる、「3K=きつい・汚い・危険」のイメージが強い中小製造業の工場は除外対象にはなっていない。
 
人手不足が従来から慢性的だったところに、「働き方改革」がさらに厳しい追い打ちをかけかねない状況だ。
 
 
 
日本における製造業の対GDP比率は約20%強で、その99%以上が従業員300人未満の中小工場である。
 
今までにも、あらゆる工場が生き残りを賭けて、機械化や自動化による省力化を進めて来た。
 
 
 
また、さらに、作業のロボット化、数値による管理とデジタル技術による機械制御、製造工程の見える化、図面や伝票の電子化、既に稼働している機械をインターネットに接続してデータ管理をするIoT(モノのインターネット)といった改革にも可能な限り、取り組んでいる。
 
しかしながら、「企業は人なり」の言葉通り、働いてくれる人が集まらねば、そして、日々自ら技術を磨き、継承してくれる担い手が居着いてくれなければ、工場は成り立たない。
 
 
 
●超人手不足の中、人が集まる元気な工場とは?
 
超人手不足の現在、「人が集まる元気な工場にするには、どうすれば良いのか?」と、常々、考えていた。
 
私の実家が経営している会社の工場に父に連れられて行った子どもの頃に始まり、学生時代に企画プロデュース事務所を起業し、大小のさまざまなメーカーのマーケティングをお手伝いさせて頂くようになってからはもちろん、仕事柄、半世紀以上にわたり、全国各地のあらゆる業種の工場を頻繁に訪問して来た。
 
実家がものづくりに携わっていたこともあり、下町ロケットで有名な東大阪で開催された経済産業省主催の「ものづくりシンポジウム」でも基調講師とコーディネーターを務めさせていただくなど、人一倍“工場萌え”する。 
 
 
 
そんな中、近年、人が集まる元気な工場には、ある共通点があることがわかった。
 
それは、至極、当り前のことなのだが、工場のソフトはもちろんハード自体、人が働きたくなる、働きやすい環境の工場であることだ。
 
 
 
●人は機械を動かしても、機械ではなく、機械にはなれない
 
もちろん、工場とは効率を追求する場である。
 
血のにじむ努力を重ね、1円1銭までコストを切り詰めねば、人件費が安い国々や国内外のライバル企業との熾烈な競争には勝ち残れない。
 
 
 
しかし、チャーリー・チャップリンが、80年以上も前の1936年(昭和11年)に、名作『モダン・タイムズ』で風刺してから変わらず、人は機械を動かしても、機械ではなく、機械にはなれない。
 
人が最も効率的に仕事をするには、ぜいたくではなくとも、人が人らしくいられたり、せめて時々は人間らしさを取り戻せる空間が必要なのである。
 
 
 
●日本テクノロジーソリューション「エナジーオフィス」(兵庫県神戸市)
 
 
 
 
 
それに気付かせてくれたのは、2013年に日本経営合理化協会主催の「西川りゅうじんの実践ビジネス志成塾」に塾生としてご参加いただいた、日本テクノロジーソリューション(http://www.solution.co.jpの岡田耕治社長から、新社屋の竣工記念パーティにお招きいただいたことだった。
 
上記の写真中央が岡田社長、右は学生時代からの友人でもある兵庫県産業振興局の竹村英樹局長、左が兵庫県参与も務めさせて頂いているりゅうじん。
 
 
 
同社は各種の商品パッケージのシュリンク装置の開発・製造・販売のリーディングカンパニーで、代々、事業を営んできた兵庫県の高砂市から、神戸空港の真ん前に本社・工場を移転した。
http://pack.solution.co.jp/
 
 
 
岡田社長は人並み外れた意欲的な経営者で、大手電機メーカーの下請けからの脱却を決意。創業者が成し得なかった自社ブランドの熱旋風式シュリンク装置「TORNADO」を製造・販売をスタートし、成功を収めている。
 
 
 
同社では、老若男女の、特に若い男女の社員が実にイキイキと活発に働いており、経済産業省が全国の企業から選ぶ「新・ダイバーシティ経営企業100選」の21社の内、兵庫県から唯一選定されている他、「健康経営優良法人」の認定も受けている。
 
 
 
「エナジーオフィス」と名付けられた同社を訪れれば、岡田社長の傑出した人間力に加えて、ソフト面での働きやすい環境づくり、ロケーションもさることながら、本社・工場の働きやすさが、人が集まる会社にしていることが実感できる。
 
 
 
 
 
 
 
岡田社長の想いを汲んで、神戸ポートアイランドのこの素晴らしい新本社・工場を設計・施工したのはどこの建設会社だろうと思っていたら、「《Factoria》(ファクトリア)で建てた」と耳にした。
 
 
 
●震災復興の鶏鳴「十文字チキンカンパニー久慈工場」(岩手県久慈市)
 
 
 
一方、国産チキンの製造を担う各地の鶏肉メーカーによる日本食鳥協会に度々講師にお招きいただいた際にお世話になって来た、業界大手の十文字チキンカンパニー(本社:岩手県二戸市、十文字保雄社長)が、東日本大震災からの岩手県の復興に寄与すべく、同県久慈市の工場を拡張し、日本最大の処理能力を有する食鳥処理工場を整備した。
 
 
 
敷地内の建屋を鉄骨2階建て延べ床面積1万1780平方メートルから2万5233平方メートルと倍以上に拡大。
 
 
 
この増設によって、鶏肉製品製造の最大処理能力は従来より約4割も増え、国内最大規模の1日9万羽、年間約2500万羽に引き上げた。
 
 
 
また、同社および協力会社合わせて600名を超える従業員が働く工場である点に配慮し、効率よく働ける動線を実現。
 
 
 
しかも、着工から引き渡しまで12か月という短工期で施工された。
 
 
 
新工場の稼働により、新たな雇用を生み出しているのみならず、年1回、近隣住民のために開催している「感謝デー」が好評で、地域の憩いの場ともなっている。
 
 
 
同社は工場増設に当たり、政府の津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金、および、農林中央金庫による県内最大規模の東北農林水産業応援融資20億円を合わせて、総事業費の約89億円の約7割を賄った。
 
震災復興の鶏鳴となり、十文字の名の通り、地域に+(プラス)を生む十点満点のこの工場を手掛けたのも《Factoria》(ファクトリア)だった。
 
 
 
●《Factoria》(ファクトリア)が「3K」を「3C」に変える!
 
 
 
《Factoria》(ファクトリア)とは、首都圏・東北・関西など各地に支店を有する、“2,3歩先行く建設会社”タカヤ(本社:岩手県盛岡市、望月光雄社長)の 「工場建設のトータルサービスブランド」だ。
http://factoria.jp/brand/
 
 
 
「3K(きつい・汚い・危険)」のイメージが強い工場を、「3C(Cool・Comfortable・Communication)」に変えて行くことを目指している。
 
 
 
 
 
望月社長曰く、「《Factoria》(ファクトリア)は、作業をするためだけの箱のような工場は決して造らない」。
 
 
 
HACCPやISOといった規格をクリアすることはもちろん、管理働く人の視点に立ち、設備や動線といったベーシックなハードの建設だけでなく、明るく居心地の良い社員食堂、おしゃれなユニフォームといったスタッフのモチベーションアップまでを見据えて、工場のあり方すべてをトータルにサポートするのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
《Factoria》(ファクトリア)は、2017年、公益財団法人日本デザイン振興会の主催の「グッドデザイン賞」を、モノではなく、唯一、ビジネスモデルとして受賞している。
 
 
 
また、《Factoria》(ファクトリア)は、デザイン性の高い工場をプロデュースする一方、デザイン・コスト・機能のバランスの取れた快適な作業環境を実現している。
 
 
 
 
上のケースブックにあるような課題や問題点を洗い出し、以下に挙げたポイントを踏まえて、美しく働きやすい高品質な工場を建てるのだ。
 
 
 
 
●1930年(昭和5年)創業のかつての東北最大のゼネコン
 
なぜ、タカヤは、《Factoria》(ファクトリア)の仕組みとブランドを確立して、人が集まる工場を造ることができるようになったのか?
 
 
 
その原点は、タカヤと東北の歴史にある。
 
同社は、現在、盛岡市のアイスアリーナのネーミングライツを獲得している岩手県を代表する企業でもある。
 
 
 
それのみならず、タカヤは、かつて、東北最大のゼネコンだった。
 
旧・高弥建設、現在のタカヤは、1930年(昭和5年)、高弥組として、岩手県の現・北上市に創業した。
 
 
 
1976年(昭和51年)には完工高が東北第一位に躍進し、その後、1998年(平成10年)には完工高406億円に達した。
 
ところが、2002年(平成14年)に、民事再生法を申し立てる事態に陥った。
 
そして、自主再建を果たすべく、長年の経験と技術をベースに、住宅、リノベーション、不動産流通、海外事業において、部門・国境を超えた相乗効果で事業を展開しつつあった。
 
 
 
●タカヤと東北の歴史が《Factoria》(ファクトリア)を生んだ
 
そんな矢先、2011年(平成23年)3月11日、東日本大震災が発生。
 
タカヤも少なからず、被害を受けた。
 
しかし、粘り強い東北魂を発揮して、80年以上にわたり、数百棟に及ぶ様々な業種・業態の工場を手掛けて来た実績と経験を活かし、岩手県をはじめ東北各県の被災した工場の再建に力を尽くした。
 
そんな中、「単に新たに工場を建設しても人が集まらない。人が集まる工場を造ってほしい!」という要望が数多く寄せられた。
 
 
 
そこから、顧客とそこで働く人の声に真摯に耳を傾けつつ研究を重ねることで、今や大きな戦力となっている女性の目線からも考えた、働く人が働きやすい工場をリーズナブルに造る《Factoria》(ファクトリア)が誕生したのである。
 
 
 
つまり、震災からの復興がタカヤを再生し、《Factoria》(ファクトリア)を生み、東北を再生して来たのだ。
 
 
 
●《ファクトリア》で工場を造って「働き方改革」を追い風に!
 
働く人が集まる工場を造ることは、取りも直さず、「ものづくり大国・日本」の再生である。
 
労働環境の改善なくして、定着率向上も、生産性向上もあり得ない。
 
 
 
《ファクトリア》で工場を造って、人手不足を吹き飛ばし、「働き方改革」を追い風にしよう!

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