携帯電話キャリア大手3 社によるスマートフォン(高機能携帯電話= スマホ)攻勢が激しさを増している。店内の展示スペースのほとんどはスマホで占められ、しきりに買い替えを勧めてくる。機種代を大幅割引してでも、従来の携帯電話より利用料金が高くなるスマホに買い替えてもらった方が、メリットがあるからだ。
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- 第154号 主戦場はパソコンからスマホヘ
総務省が、スマホ普及がもたらす今年度の経済効果を7.2 兆円と試算している通り、スマホ経由のEC 市場規模も、今年に入り着実に拡大している。ヤフーでは、ネット通販やオークションの取扱高全体の約2 割、楽天市場では約1 割がスマホ経由となっている。
あるアパレル系大手ネット通販会社では、機種別の販売比率がパソコン5 割、スマホ4 割、携帯電話1 割と、かなりスマホへの移行が進んでいる。百貨店ブランドをメインに取り扱っているこの会社では、女性顧客が9 割を占めており、メイン層は30 代。とくに、おしゃれに対する感度の高い顧客を抱えるアパレル系では、大手ショッピングモールに比べて、端末の主流変化が先んじているわけだ。
この高速・大容量通信を可能にしたスマホの普及により、画像情報の重要性が増している。動画や解像度の高い写真データが掲載しやすくなったためで、様々な分野で需要を喚起・創出する役目を果たしている。
このように、パソコンと同等の機能性と携帯電話と同様の手軽さを合わせ持つスマホは、EC 市場においては、すでに携帯電話市場を陵駕しており、近い将来、ネットショッピングの主戦場は、パソコンからスマホヘ変遷すると見られている。我々は、その時期を見極めて、万全の準備をしておかなければならない。