テレワークの機会が増え、社内の打ち合わせや、取引先との会議など、コミュニケーションの形も様変わりしています。ビデオ会議が普及したお陰で、音声のみの電話と比べると、相手の表情が見えたり、資料やサンプルを映像として共有できるなどの進化は感じますが、やはり面談に比べると「痒い所に手が届かない」感はつきまとうものです。
そうしたストレスを少しでも低減したり、誤解によるロスを抑える手段の一つとして、「はかれるモノははかる」、「数値でやり取りする」、ことを提案します。
今では測定に必要な道具も、使いやすいデジタル機器が豊富かつ安価になっていますので、検討されてみてはいかがでしょうか?
■大きさ(長さ)
ありがちな誤解の筆頭は、「思っていたよりも大きかった」あるいは「小さかった」というものです。販売されている製品の場合は、仕様として長さを明記するのは当然ですが、打ち合わせの過程では、「手のひらくらい」など、曖昧になっていないでしょうか?
長さはモノさしなどでも簡単に測れますが、もう一段の精度と手軽さを求めるなら、「デジタルノギス」がお勧めです。モノ作りの現場では欠かせない道具の一つですが、現在では測定値をデジタル表示できる製品が安価で手に入ります。
【写真】デジタルノギスの製品例。ものさし代わりの簡易的な製品なら1,000円程度の製品も。
■距離
数メートルから数十メートルと、モノさしで測れない距離になると、専門職でない限り、測るのが面倒なものです。巻き尺などは簡単に手に入りますが、使い慣れていないと、メモリの読み間違いなども起こりやすく、後々、この誤差が問題になるかもしれません。
今では、「レーザー距離計」が非常に手軽に入手できるようになっているので、1台備えておくと便利です。床から天井といった手が届かない範囲も、1人で簡単に、ミリ単位の高精度で測定が可能です。
【写真】レーザー距離計の製品例。20m程度以内の距離測定なら、5,000円くらいから購入可能。
■重さ
キッチン用のスケールを用いると、0.1g単位で量ることが可能です。デジタル式ならコンパクトで邪魔にならず、もちろん、キッチンで調理時にも重宝しますので、1台備えておきたい道具です。
1kgを超えると、体重計を利用すると良いでしょう。体重計に乗せにくいモノの場合は、ヒトが乗ってから電源をオンにすると、その重量が0(ゼロ)になる製品が多いので、その上で量りたいモノを持つと、簡単かつ明瞭に測定が可能です。動いてしまう生き物の体重を図るのにもお勧めの方法です。
製品例: タニタ クッキングスケール
https://www.tanita.co.jp/product/c/c1030l0/
■色
テレコミュニケーションで一番難しく感じるのが、「色味」の共有です。写真でも動画でも、撮影する機材、設定、表示側のモニターなどで差異が生じます。
色味の共有は非常に難易度が高いですが、高価ながら、色を測定する機材も存在します。専門業種以外では導入も扱いも難しいと思いますが、参考までにご紹介を。
製品例: コニカミノルタ 色彩・色差計 製品例 CR-10 Plus
https://www.konicaminolta.jp/instruments/products/color/cr10plus/index.html
商品企画などのレベルでは、「Pantone」や「DIC」といった色見本帳が使われることが多く有効な手段ですが、照明によって見え方が異なったり、色見本帳の偽物も存在するので、注意が必要です。
■さいごに
デジタル技術の進化で、誰でも扱い易い高精度な測定機材が手軽に入手できるようになっています。コミュニケーション時の誤解から生じるロスを低減するためにも、合理化の手段の一つとして、活用を検討されてみてはいかがでしょうか?