menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

マネジメント

第八十四話 「人のために生きよ」(株式会社ノバレーゼ)

社長の口ぐせ経営哲学

ウエディング市場のリーディングカンパニーと称されている株式会社ノバレーゼは、婚礼衣裳事業、婚礼プロデュース事業、ホテル・レストラン事業の3本の事業が相乗効果を生み、収益性を高め、売上げも伸ばすという、バランスの取れた増収・増益の企業体質をつくり上げている。わずか、6年で東証マザーズに上場を果たしている成長企業である。


41歳の浅田剛治社長は上場企業では若手経営者だ。結婚式の業務にかかわって18年目、独自性が強く、オリジナル性の高い結婚式を提案している企業である。ウエディング市場は約3兆円という大きな市場規模だが、最近は、伸び悩み、横ばい傾向が続いている。そういう状況の中で、成長を続けている同社は、業界内外で注目を集めている企業の一つだ。


昨年、今年に続いて新しい施設も開業。ゲストハウス(16店舗)、結婚式場・ホテル(4店舗)、ドレスショップ(16店舗)、レストラン(1店舗)、海外店舗(1店舗)で、合わせて38店舗を展開している。「結婚式場の再生受託から婚礼プロデュースの委託まで、年間数件の依頼があり、その数は年々増えています。どこか特徴がなければ難しい時代です。すべて平均点というのはダメですね」と浅田剛治社長は語る。


同社の結婚式場は二つのタイプがある。一つは駅近くの都市型の高級感を演出するシンプルでスタイリッシュな内外装や空間建築を特徴とする施設(モノリスタイプ)と、もう一つは郊外型で自然の景観に恵まれた地域を対象に、高級リゾート感のある建築を特徴とする施設(アマンダンタイプ)である。同社は再生施設の事業展開も特徴の一つである。歴史的、文化的価値のある建造物、旧来型のホテル・専門式場をノバレーゼの開発・運営手法を投入して蘇らせた施設である。


業績が伸びている一つの理由が人材育成に力点を置いていることである。ユニークな人事制度や休暇制度が注目されている。社員が決める"働き方"のフレックスキャリア制度を09年1月より採用。10年3月から導入した「アイデア休暇」もユニークだ。ズル休みにヒントを得て、まじめに働いている社員の息抜きでユーモアのあるストーリーを口実に休暇が取れるという制度だ。


「楽しい環境をつくり、提供するのが私の仕事です」という浅田社長。経営理念が「世の中に元気を与え続ける会社でありたい」である。浅田社長は社員に対して「自分がどうしたら楽しいか」「人のために生きろ」と訴えている。社員の意見を基に作成した「クレド」の表には「人のために生きよ」「世のため人のためを本気で考えて生きよ。その先に幸福がある」と書かれている。裏面に「本気道七か条」と書く、ユニークな会社だ。


 

                                                    上妻英夫

第八十三話 「現場で手を打つ」「即断即決」(角上魚類株式会社)前のページ

第八十五話 「ま、いいか」(木村飲料株式会社)次のページ

関連記事

  1. 第九十九話 「明るく、元気で素直がいい」(株式会社ベアーズ)

  2. 第七十五話 「お客に聞く」、「逆算して行動しろ」(オイシックス株式会社)

  3. 第四十三話 「必要なものしか残らない。要らないものは捨てられる」(ミマスクリーンケア)

最新の経営コラム

  1. 楠木建が商売の原理原則を学んだ「全身商売人」ユニクロ柳井正氏

  2. 第10講 WILLとMUSTをCANに変える:配属に不満がある社員とどう関わるか

  3. 第147回『紫式部と藤原道長』(著:倉本一宏)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. マネジメント

    後継の才を見抜く(7) 動き出す秀忠
  2. 教養

    第58回 『人に心を開いてもらいたい時、私が必ずやること、やらないこと。』 (著...
  3. マネジメント

    第113回 『イヤな上司、尊敬される上司』
  4. 社員教育・営業

    第154回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方77
  5. マネジメント

    第318回 社長の「大切」3つの質問
keyboard_arrow_up