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健康

第40号 「知覚上手」

米国スポーツ・ビジネスに学ぶ心理学

"昔は良かった!""昔は楽しかった""あの頃は良かった"と、最近、妙にこのフレーズを耳にする機会が増えました。

幼い頃の友人達と会う機会があったのですが、そこでもやはり、このフレーズを何度も耳にしました。
"子供のころは楽しかった""昔は良かった"。

しかし、本当に昔は良かったのでしょうか?何が今より良かったのでしょう?
少なくとも物質的な点では今の方がはるかに便利であることは間違いありません。
電機製品も今ほど優れた物はなかったし、朝起きて学校に行くのも辛かった、交通の便も今ほど良くなかった、
携帯もパソコンもありませんでした。

また、学校に行けば理不尽に思うような事で怒られたことも、叩かれたり何度もありました。
この様な経験をしたのは私だけではないはずです。
にもかかわらず、なぜ多くの人が"昔は良かった"と言うのでしょう?

それは単に親の傘の中で守られていたという立場の違いだけでなく、明らかにPerception (知覚)の仕方が
大人と子供とでは変ったからです。

我々にとって起きた出来事や事実などは関係ありません。
出来事が自分にとってどの様な意味があったかを本人が決定し、それを自分の経験とします。
ですから2人の人間が全く同じ体験をしても異なった事実や思い出となるのはこの'知覚'の仕方が違うからです。

事実や環境、条件が今より厳しかったにもかかわらず、昔は楽しかったと感じていたのだったら今より子供の頃の方が
知覚上手だったのかもしれません。

ですから先生に怒られたり、殴られたりしても翌日はケロッとした顔で学校に行けたのでしょう。
そして楽しかった事や可笑しかったことはいつまでも覚えて思い出し笑いをしてしまう。
思い出してはいけないような場面では特に思い出し笑ってしまう。

しかし今、我々が人から注意されたり理不尽な事が起きたらどうでしょう?
我々はどの位の時間、不愉快な気持ちになるでしょう?
どれだけ多くの人に不平、不満を伝え自分の正当性をアピールするでしょう?

もし上手に知覚ができないのであれば我々は子どもたちから学ぶものがあるのかもしれません。
普通に生活していれば理不尽なことや納得いかないことはいくらでも起こります。

しかし人生でマイナーなことにあまりエネルギーを浪費し大切な時間を無駄にしては勿体ないです。
知覚上手な人は、人生というゲームを上手に上がれる人なのです。

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