「存在の輪郭」
その方の存在をひときわ際立たせ、スポットライトを当てたかのように表情が輝く。
そのような効果を持つのが、第一印象に最大の効果を与え顔周りを作るVゾーンの中の「華」ネクタイです。
今回は前回に引き続き、その方の「華」と、その驚くべき効果とエピソードについてです。
イタリア人は、一日の間に少なくとも昼と夜とでネクタイを付け替えるというほど、時間と場面によって
その場に映える華が違うことを知っています。日中の自然光の中で映える色、夜のライトの中で映える色が
それぞれあり、また、その方の本来持っている色素の具合により、それぞれ違う映える華があるのです。
私のクライアントである某トップエグゼクティブは、昼間の明るい光のようなブライトな色素と、
その色素に負けないチャーミングさとアクティブ感、華やかなキャラクターを持った方。
ただ、比較的男性に多く見られる「赤っぽいもの、特にピンクっぽいものが苦手」という方でした。
たいていの場合、これら赤みのある色は女性が身につける色というイメージがあり、
自ら進んでは選べない気恥かしさがあるというのが大半の方が持つ理由。
しかし、赤っぽい色、ピンクっぽい色、これらはまさに華色です。女性がメイクの仕上げとして口紅を引くことで、
一気に表情が引き締まり、輝くのと同様、赤みのある色は男性の表情も華やかにします。
さらに、赤とは違い、ピンクはエレガンスやソフトさ、何だか近寄りたくなる、
そんなアトラクティブなイメージを周囲に与える効果が絶大。
その上、その方が代表を務める企業のイメージと、その方の本来持っている外見・内面的キャラクターのイメージ、
社会的ステータス、そして今後対外的に発信する目的としていたイメージにおいて「華がある」というキーワードが
出てきていたのですから、ピンクの中でも最も彼の持っている色素を引き立て、立場やキャラクターにも
合うものを分析し、それがふさわしい場面で最も有効的に使っていただかない手はありません。
まずは納得し、苦手意識を少しでもなくしていただく為に、その効果を実際に体験していただくことから
始めると・・・不思議な事に、「いい」という理由が理論的に分かり、それが効果のあることだと
納得いただけると、それまで長年の間、何となく抱いていた気恥かしさを払しょくできるもの。
そこからは「では、ベストだと思われるピンクの物(ネクタイ)を選んでください」とのオーダーがあり、
早速その直後にあった大きな取材の際に身につけていらっしゃいました。
ここまでくれば、自分の納得の上に身近な周囲からの評価が耳に入ってくるので、
さらに自信と確信を持つことができます。イメージとは、自分の納得がスタートではありますが、
社会的な立場を持った人の公的な場における存在は、他者の期待を基準としたその評価。
人から評価されてこそ何らかになるのです。そして、取材を受けたり、プレス会見を行うなど、
媒体に登場する存在であればこそ、企業の顔として場面毎にあった華を演出する必要と周囲の期待に
こたえる任務があるのです。
前述の私のクライアントの方の場合、この大きな某媒体からの取材を受け、そこに掲載された写真も
社内でとても評判がよく、ご本人一安心だったことと、苦手だったピンクが確実にご自身の華になることを
実感されたことで、非常に自信を持ってくださったようでした。
そして後日談として、数日後に飛行機に乗った際、CAの方が「○○さんでいらっしゃいますね、記事を拝見いたしました」と、
その大きく掲載された部分を持ってきたとか。改めて人に見られていることを実感し、その影響力と人に与えるイメージの
インパクト、そして見られる存在としての任務もトップエグゼクティブにはあることを感じられたのではないでしょうか。
なかなか難しい世界経済の真っただ中ではありますが、だからこそ社会の中でリーダーとして存在する人々が、
世の中に希望を与える明るい華のある存在であることが望まれます。
それは、日常当たり前に身につけている物の選び方とアイディア。
そこにこそ、その方の本来持つ意識の高さと余裕が「華」となって表れてきます。
先日2か月ぶりに戻ってきたNYは、春を飛び越えて夏のような日が続いています。
日中の日差しが明るくなる季節には、やはりその日差しに合った色合いが映えるもの。
April rain brings May flower.ご自身の中に華を取り入れて、是非ともTPO毎に効果的な使い分けをしてご覧ください。
そのセンスの良さは、仕事のセンスの良さとして必ず周囲に良いイメージを与えるはずです。