こんにちは。本格的な秋の訪れが待たれる頃、変わりなくお過ごしですか。
ご承知のように、10月1日から郵便料金が値上げになりました(封書は110円に、ハガキは85円に変わりました)。
ビジネスシーンではレターパックを活用している企業が多いでしょう。レターパックはライト(青いほう)が370円から430円に。プラス(赤いほう)が520円から600円に変わりました。
お手元にある従来のレターパックは差額分の切手を貼るか、差額分を現金またはキャッシュレス決済で支払うことで、今後も使用できます。ライト(青いほう)には60円分を、プラス(赤いほう)には80円分を追加して使いましょう。(*詳しくは日本郵便のHPをご確認ください)
相手のペースを尊重できる
今回の郵便料金値上げに伴い、複数のメディアから取材を受けました。取材の内容は、集客すると「今の時代の手紙の価値」。このSNS・チャットの時代に「なぜ今、手書きの手紙か?」という壮大なテーマについて、専門家の目線で解説させてもらいました。
スピード重視のLINE、SNSやメールと比較して、手書きの手紙はゆったりとしたツールです。届くスピードが遅いだけでなく、「なんて書こうかな?」と相手を想像しながら紙を用意し、ペンを取り出し、文字を手書きするのです。手間がかかるという点でも、ゆったりしています。
LINEやSNSなどは手っ取り早くて便利ですが、便利な反面、連絡が来たらすぐに返信しなければいけないと重く考えて焦ったり、言葉尻に過敏になったり、ストレスを抱えやすいものです。
その点、手紙なら相手のペースを尊重できるうえ、自分らしくのびのびと言葉を選んで表現できます。間違えたら書き直せばいい。何度でも書けますし、繰り返し読んでもらうこともできます。
わたしはこの「相手のペースを尊重でき、それでいて自分らしくのびのびと何度でも思いを伝えられる。その上、言葉の力が持続する」手紙の力を、まさしく最強であると考えています。
文章について言えば、たとえば前回、顔を合わせたときに、相手が「もうすぐ海外出張に行く」と言っていたと覚い出すならば、「食事はいかがでしたか」などの言葉で相手の話をちゃんと聴いて覚えているという誠実な姿勢を打ち出すことができます。
さらに、交わした会話の内容やそのときの印象を思い浮かべて文章を考えることで、頭の中が整理されたり、思考力が磨かれたり、様々な言葉が蓄積されます。
その過程で培われる言葉力や思考力は、面と向かって話すときにも必ず役立ちます。会議やセールスなどにおいても、自然と、聴き手の心に届く言葉が口に出てくるようになるでしょう。感覚的なものですが、シャイで口ベタな人ほど、この効果が期待できるようです。
自己肯定感が高まる
手紙では、基本的によい言葉しか綴りません。「いつもありがとうございます」「ご発展を願っております」「お体に気をつけて」など、自然と読む人が安心する、感謝や発展を願うフレーズ、健康を気づかう言葉ばかりつづるのです。
手間をかけ、こうしたよい言葉をつづるのですから、書き終えた後には「よいことをした」「よくやった(よく書いた、えらかった)」と、小さな達成感や喜び、満足感に浸れます。
こうした経験の積み重ねが自己肯定感を高め、自分に自信を与えてくれるのです。