こんにちは。梅雨入りし、じめじめとした過ごしにくい頃になりましたが、変わりないですか。
7月の風物詩といえば、その一つがお中元。昨今はお中元やお歳暮といった季節の贈り物を廃止する会社が増えていますが、受け取る機会はゼロではないと思います。
受け取ったら、電話をかけてお礼を伝えるほか、ハガキでお礼状を送ると「丁寧な人」「よくできた会社」という印象につながります。すぐに書けるように、夏らしいデザインのハガキや切手を数枚、手元に揃えておくといいですね。
さて、今回はメールや手紙・文章を書く上ですべての基本となる「文章の基本構成」について、お話しします。
メール・手紙、文章の基本構成
メールでも手書きの手紙でも、相手に何かを伝えるために書く文章は次の構成で成り立っています。
仮に、皆さんが今まさに書こうとしているメールの内容が、何かの連絡であれ、お礼であれ、変更のお願いであれ、お詫びであれ、すべて以下の構成ととらえていただき、問題ありません。
相手の会社名+名前
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書き出しのフレーズ
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本文(要件)
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結びのフレーズ
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自分の会社名+名前
名前の漢字に気をつけて
上に書いた中で、いちばん大切なのが相手の名前です。当たり前のようですが、いちばん間違いやすいのも相手の名前のため、名刺やメールの著名欄を見ながら正しく書きましょう。
取引先の社名に加えて「株式会社」は前につくか、後につくかなどは、案外、覚えていないものですね。ほかに、名前の漢字、たとえばワタナベさんの「渡邉」「渡邊」「渡部」、サイトウさんの「齊藤」「斎藤」「齋藤」、タカハシさんのハシゴダカなどの難しい漢字は勝手に省略せず、相手の書き方に合わせて書いて差し上げると、親切です。
以前、「渡邊」さんという女性から取材を受けたとき、名刺交換の際に「なぜ難しいほうの邊の字を使っているのですか?」と質問したことがあります。
すると、「しっかりした人に見られたいから」という答えが返ってきました。たしかに、画数が多いと堅い感じがしてしっかりした印象につながりますね。20代の若い方でしたから、「なめられてはいけない」といった心理が働いていたのかもしれません。
そのとき以来、難しい漢字の名前の方に出会ったら、すべて理由があってのことなのだと思い、気をつけています。
難しい漢字の名前の人ほど、日ごろ、省略されるか間違われる機会が多いです。正しく書くと、相手は必ず気づきます。そこに感謝や信頼が生まれます。
覚えておきたい書き出しのひと言フレーズ例
文章の基本構成に話を戻します。書き出しの一行目は、何をどう書けばいいのでしょうか。
メールの場合、「お世話になります」や「いつもお世話になっております」など。手紙の場合は「貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」などの昔ながらの形式的な書き方もありますが、ビジネスシーンであっても顔見知りの相手に送るものであれば、肩肘張らずに普段どおりの書き方で十分です。次のフレーズ例が参考になれば幸いです。
■定番フレーズ
・ご無沙汰しております
・お久しぶりです
・季節のご挨拶を申し上げます
・いつもありがとうございます
・いかがお過ごしですか
・その後、お変わりないですか
■今の時季に合う(夏の)書き出しのフレーズ
・陽ざしが強くなりました
・吹き出す汗が止まらない頃となりました
・いよいよ夏本番を迎える頃
・日陰を探して歩く頃
・大輪の紫陽花が目に留まる頃
・日焼けが似合う頃
■ワンポイント
「厳しい暑さ」「湿気が多くてうんざり」「疲れがたまる/疲れが抜けない」「殺人なみの暑さ」「酷暑」「猛暑」などの表現は、避けるほうが無難です。たしかにその通りではありますが、その言葉を耳で聞くのと文字で見るのとでは、印象が変わることがあります。エネルギッシュな表現に改めましょう。
覚えておきたい結びのひと言フレーズ例
最後の一文をどう書くかで読後の印象が変わります。書き出しと同じく、形式にこだわる必要はありません。相手の健康を気づかうほか、成功や発展を願うフレーズで締めくくると、さわやかさや誠実さが伝わります。
■定番フレーズ
・お体を大事になさってください
・暑さの盛り、ご自愛ください
・皆様にもどうぞよろしくお伝えください
・では、お元気で
・それではまた
・次回の打合せも(〇〇の件など引き続き)よろしくお願いいたします
■要件を結ぶとき
・簡単ですが、お礼まで
・いつもありがとうございます
・感謝を込めて
・まずはお礼まで
■次につなげるフレーズ
・精進してまいります
・精一杯、努めてまいります
・ご期待に添えるよう、励んでまいります
・今後ともご指導のほど、よろしくお願い申し上げます
■発展や成功を願うフレーズ
・益々のご発展とご健勝をお祈りいたします
・ご健勝、ご多幸を祈念しております
・(〇〇様の/皆様の)ご健勝を願っております
・益々のご発展を祈念して