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第59回 富裕層ネットワークの活用

欧米資産家に学ぶ二世教育

富裕層には富裕層の友人が多い。生活の場、生活パターンが似ており、同じようなクラブに属し、かつ色々なところで出あう。当然ながらそこでは活発な情報が交換がされる。彼らにとっては各種チャリティーイベントですら、例えば金融機関に出回る前の質の高い情報やその他さまざまな耳よりな話を入手する機会なのである。「お前の別荘の隣は売りにだすらしいぞ」と聞いた友人は、その隣に別荘を構える銀行の頭取に「半分ずつ買わないか?」など持ちかけたり、「あのビル一緒に買わないか?」こんな具合である。

富裕層のみが入会できるネット上での情報交換も盛んである。「アジアのヘッジファンドでいいところはないか?」、「Xファンドなら10年以上も投資しているが非常に成績が安定しているから勧められる」「ブラジルの鉱山に興味があるのだが」、「子供をよい大学に入れたい。よい入試アドバイザーを知らないか?寄付は必要か?」「ジェット機の共同所有を考えているのだが・・・」「水の権利を買いたい」

こうした個人富裕層に限定したネットでは実名、連絡先入りで情報を交換しあう。金融機関はオフリミットだが、求められれば賛助会員として情報提供をする。年に何回かはオフ会を開催するのでパーソナルな親交も深められる

更に、たしか50億円以上の投資家のみと記憶しているが、互いのポートフォリオを全部開示し、互いに投資アドバイスをし合う、いわば互助会的な富裕層限定クラブもある。

富裕層専用のあるファンドのウリが「メンターの紹介」だったのには驚いた。親はみな子供が可愛くまたその行く末を心配する。資産はいつなくなるか分からない。子供を立派に教育するとともに、しっかりしたメンターを含めた応援団をつけておけば将来何かと心強い。

チェース銀行の頭取を長く務めたデービッド・ロックフェラー氏の自伝には、自分の父親が努めて世界の有力者や芸術家の友人達を自宅に招待し、子供たちに引き合わせていたかなどが克明に記されている。他の富豪しかりである。そうした機会を通じて自らの人脈を紹介し、子供たちに学び、気づきの場を設け、いざという時「よろしく」の深慮があるのはいうまでもない。                                      榊原節子 

 

 

 

 

 

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