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第98回 あなたのストーリーは何ですか?

欧米資産家に学ぶ二世教育

アップル創業者スティーブ・ジョブス氏のプレゼンの魅力はよく知られている。

「1000曲をポケットに」「僕にとってコンピュータというのは、人類が考えた最高のツールだ。知性の自転車といったところかな」などなど。短いフレーズの中に意外性があり、しかもパッと情景を思い浮かべさせる力を持つ。そこにはストーリー、物語がある。
 
ユニセフから募金の要請がよく来るが、必ずそこには子どものストーリーが語られている。水がないアフリカの村に暮らす3歳のエレンちゃん。病気になったので枕元にお母さんは水を置いた。でもその水は泥水だった。何時間もかけて汲みに行っても手にすることが出来るのは汚れた水だけ。寄付を頂ければ・・・と続く。
 
会社のこと、プロジェクト、あなた自身を売り込むときにもこのストーリー性が大切だ。半沢直樹シリーズで有名な池井戸潤の最新作『陸王』に登場する主人公の息子は万年就職活動での負け組だったのが、小さな父親の会社で新製品の開発に携わり、語るべき物語ができたとき、面接に通るのである。
 
スピーチをするときも、そこにストーリーがあるとき、聞き手の心に響く。ストーリーは発想を変えたり、視点を変えることで見つけることができるのに、それを見つけられない、或は見つける努力をしていない。
 
私は現在ロータリークラブの地区組織で奉仕研究委員長として、社会貢献のあり方、奉仕のノウハウなどについてスピーチをする機会が多いが、タイトルを「奉仕の物語」としている。その方が聞き手の関心を得ることができるからである。また新規に設立した奉仕研究委員会のサイトでも「心に残る話」など、ストーリー性のあるエピソードを多く紹介するようにしている。
http://houshi-kenkyu.net/
 
家族にもまたストーリーがある。NHKの番組「ファミリーヒストリア」ではないが、自分の家族、先祖には多くの物語があるのだが、それを知る努力を余りしていない。太平洋戦争の困窮時たくましく生き抜いたひいおじいさんの話、おばさんの武勇伝。女性としては珍しく仕事をつづけた母親の苦労。それらのストーリーを綴り、それを後世に伝えていくことがファミリーのそして家族の結束を促し、子どもの苦境時に踏ん張る力を与えてくれることになるのではないだろうか。
 
 
                       ライフスタイルアドバイザー 榊原節子

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