風邪をひきやすい季節です。すっかり衣替えしたのに、日中、急に汗ばむような陽気になったりすると、カラダは温度調節機能を混乱させます。
こういった温度差のはげしい日に食べ過ぎ、飲み過ぎなどが重なると、カラダは容易に風邪をひきやすくなります。
私としては、基本的に風邪をひくのは悪いものばかりではないと考えています。風邪は、一種のカラダの浄化作用でもありますから、軽い風邪なら、衣替えと同じく、年に何度かはひいておいた方がよいくらいだと思っています。
ただ、ここ一番はりきっていかないと!という時にひく風邪は、やっぱり困りますよね。「よりによって何で、こんなときに!」という風邪。
でも、そういう時にひく風邪こそ、あなたの能力アップのサインなんですよ。 どういうことか?を説明する前に、ちょっと基本的な、風邪の起こる理屈をおさえておきましょう。
私達のカラダには、ふだん知らず知らずに毒素が溜まっていきます。 ちょうどドブ川の様子をイメージしてもらいましょうか。
自分のカラダをドブ川になぞらえるなんて抵抗があるかもしれませんが、この際、まぁだいたいそんなものだろうと我慢して下さいね。
ドブ川の上の流れはいつもきれいな水が流れていますが、底のほうには、ヘドロが溜まっています。カラダで言うと、血管壁、内臓、皮下の脂肪、重金属毒素などを想像してもらえると良いです。
普段、上の流れだけでまかなっている血流や筋肉、内臓のキャパシティも、ここ一番!というときにはフル活用しなければなりません。 (急な運動、無理を押しての仕事、暴飲暴食はみな、キャパを超えて、いつも以上にカラダを使おうとする行為ですね)
そんな時は、ざーっと一度、底流に溜まったヘドロを大掃除してやる必要が出てきます。風邪のウイルスは、そういう時をねらって、溜まったヘドロをかき回しにカラダに浸入してくるのです。
毒素がかき回されるので、いったん川の流れはにごります。その結果、体液中に浮き上がってきた毒素を排泄するため、カラダは、下痢や嘔吐を起こし、また、発汗のために熱も出すのです。
小さい幼児は、風邪をひくと高熱を出しますますね。 これには親はハラハラさせられますが、無事治ったとき(これはよーく観察してないと見落としやすいですけど)、その子は、これまでよりちょっと言葉が増えたり、手足が少し器用になったり、行動範囲が広がったりしていることに気づきます。
風邪ではないんですが、手足口病というヘルペスウイルスが起こす子供特有の病気がありますが、ある小児科の先生も、手足口病が自然に治ったら、たしかに、手、足、口(言葉)の能力が向上している、とおっしゃっていました。
これは人間ばかりでなく、猿にもみられる現象です。 数年前、こんなニュースがありました。
イスラエルの動物園にすむ猿のナターシャは、胃腸の病気のため、生死をさまようような瀕死の状態に陥りました。けれどなんとか臨死体験を経て、彼女は奇跡的に生還を果たします。
そして、その後に何と、突然、人間のような「二足歩行」を始めたのです。 奇跡的適治癒が、なんと、二足歩行という「進化」をもらたした例です。
私達のDNAには、たくさんのウイルスのDNAが刻み込まれているって、 ご存知ですか?
これは私達の祖先がさまざまなウイルス感染と戦い、その中で生き残った人は、ウイルスをそのまま自分たちのカラダや能力の進化に活かしたということを物語っています。
人間は、いろんな試練を受け入れ、それを人生の糧に変えていきながら生きていますよね。そういう意味では、ココロも、そしてカラダも、同じようなしくみで、状況に対応しながら、日々進化を遂げているといえるのかもしれません。
風邪をひくと、カラダをやすめないといけませんね。でも、休めて初めて得られるものってあるはずです。
カラダのためだけに、時間を強制的にとならなければならない。これこそ、風邪からの大切なメッセージなんです。
これまでのカウンセリング例から私が考察した風邪の例を挙げておきますね。
●のどからくる風邪・・親、上司、目上との関係。親や上司を超えたいと思っているとき。
●鼻からくる風邪・・・ふだんは秘められた直感力的能力の開花。
●咳からくる風邪・・・チャレンジしたくはないと思っていることだが、やれば新たな局面を打開できるというチャンス。
●胃腸からくる風邪・・時間的束縛、優先順位がつかないことへの新しい対応の仕方のヒントが得られるチャンス。
この時期、まわりで風邪をひいている人に、そっと教えてあげてください。 「風邪をひいたら、あなたの能力がひとつ上がるんですよ」と。
風邪をひいたら、もう覚悟を決めて、いったん、いま抱えていることを手放しましょう。そして、しっかりカラダを休めましょう。その先のきっと新しい自分との出会いが待っているはずですから。