unerryは生活者行動ビッグデータのプラットフォーム「Beacon Bank」を運営するデータカンパニーである。国内最大級の人流ビッグデータをAIで解析し、企業の意思決定の支援やスマートシティの実現、グローバル展開を見据えた事業等を推進する会社である。
現在、世の中は一気にAI時代に突入している。AIは世の中の様々なデータを用いて、目的とする事象に最適解を導き出すツールである。そのAIにとって、最も重要なもの、まさにAIの活力にとって重要なものがデータである。同社はその中にあって、アクティブユーザーのID数で見て、グローバルトップ10に入る唯一の日本企業である。
グローバルトップ10のナンバーワンはフェイスブックであり、ID数は30.7億。以下、Youtube、WhatsApp、Instagram、などなどが続き同社は10位の8.5億IDと、堂々ベスト10に食い込む日本で唯一の企業である。顧客ビジネスの成功にとって同社サービスは極めて有効な武器となるものである。

同社ビジネスの具体的イメージは、8.5億IDの個人の様々な行動データを収集し、顧客のビジネスに有効活用できる形にして提供することである。収集するデータは、28兆円分の購買データ、2,700万人分のTV視聴データ、100万台以上の店内サイネージ、150種類のアプリのデータ、Webアクセスログ、GoogleやSNSのデータ、そしてアンケートデータなどである。これらの人流ビッグデータをコアとして、生活者の行動ビッグデータを形成するものである。
具体的には様々な企業と様々な目的のために提携し、様々な目的用のプラットフォームを創出し、そのプラットフォームを活用できる企業に提供するものである。以下に、個別具体例を示すことにする。
2026年6月2日のリリースから
「unerry、ソニーマーケティングのエッジAIソリューションと連携し、人流データを活用した「店頭メディアの計測ソリューション」を提供開始」
最近は、小売業の店頭に動画があり、様々な企業が広告を流している。これをリテールメディアと呼ぶ。もちろん、そのメディアではその小売業が店頭に並んでいる商品を宣伝していることもある。しかし、せっかくメディアとして展開しているのであるから、そこで流す広告枠を商品供給メーカーに買ってもらいたいという狙いもある。
しかし、デジタルサイネージを中心とする店頭メディアは購買者に最も近い接点として広告主の関心自体は高いものの、実際の普及は限定的である。この一つの問題点が、「効果計測」の手法が確立されていないことであった。一方、小売業自身も、サイネージ広告のリーチ(何人が見たか)やどんなユーザーが視聴するかを定量的に示すことが難しく、広告主への説得性が弱いことが多い。
こういった問題を解決するために、同社とソニーマーケティングは、視聴者数やその属性、来店前後行動と店内行動を組み合わせた解析による視聴者層の深堀や計測効果の実現に取り組み、「店頭メディアの計測ソリューション」を開発した。
このプラットフォームの作成には、同社の人流データがフルに活用されている。国内2.4億IDの人流データによって、来店者の商圏、来店経路、来店頻度などがわかる。また、来店者の居住地・勤務地(推計)および他店利用動向、ライフスタイルなどの属性を推計・分析する。メディア接触者における購買効果の可視化(POSデータとの連携、広告商品に関連する店舗や施設への来店計測)など。
一方で、ソニーマーケティングのエッジAIソリューションではAIカメラを店舗に設置して、来店人数・来店客属性、店頭メディアの視認者数・視認率・視認時間などなどやはり多くのデータを収集分析できる。
こうして、両社の技術を組み合わせて、店頭メディアの費用対効果を測定できるようにしたものである。すでに実際の店舗で検証を行って、価値が確認されている。リリースには実際にこの計測ソリューションを使ったトライアルカンパニーのコメントが紹介されているので、以下にそのままの形で引用する。
「当社は多数のデジタルサイネージを導入してきましたが、「メディアとしての効果計測」が長年の課題でした。今回、「TERIAL GO 富士見台駅北店」での実証実験を通じ、店前通行者の約6割がサイネージを視認している事実が客観的データとして証明されたことは大きな成果です。また、当社がこれまで培ってきたデータ活用に加え、unerry様の人流データとソニーマーケティング様のエッジAI技術が連携することで、店外から店内までの顧客行動をシームレスに捉え、想像以上に「顧客解像度」を高められることがわかりました。本取り組みは、広告主様へ投資対効果を明確に証明する確固たる第一歩です。商品メーカー様のエンデミック広告(店舗に配荷されている商品の広告)にとどまらず、今後は商圏生活者と親和性の高いノンエンデミック(非物販等)広告へと、リテールメディアの新たな可能性を大きく広げると確信しています。」
「店頭メディアの計測ソリューション」を販売するのが同社とソニーマーケティングで、購入者がトライアルカンパニーなどのリテールメディアの所有者。そして、そのリテールメディアの所有者は商品のメーカーに広告を売り込んで利益を上げようという目的で、広告主にリテールメディアの効果を説明するためにそのプラットフォームを使うということ。そうなると、将来的な「店頭メディアの計測ソリューション」の販売先は、店舗を持つ小売業のすべてが対象となる可能性もあると言えよう。
同社のプレスリリースからほんの一例を示しただけであるが、このようなリリースが次から次へと年に10本ほど公表されている。まさに、AIを用いたサービスを提供する企業には必要不可欠なものが同社のビッグデータである。同社はこのデータを武器に当面高成長を続けることとなろう。
有賀の眼
AIは第4次産業革命の中核技術と云われている。1760年代から1830年代の蒸気機関を中核技術とする第1次産業革命。1870年代から1910年代の内燃機関や電力を中核技術とする第2次産業革命。1970年代から2000年代のコンピュータ、インターネットを中核技術とする第3次産業革命。そして、2020年代から始まったのがAIを中核技術とする第4次産業革命である。
そして、各産業革命の期間を見てわかるように、ますます革命のスピードは速まっている。AI時代に突入したことで、そのスピードに乗りそこなうことは企業や国にとってはまさに致命傷になるような時代に突入したと言えよう。そんな時代において、まさにそのAIのエネルギーの源となるのがビッグデータであり、より汎用的で広範囲な同社のビッグデータの価値は今後急速に高まって行くのではないかと思われるのである。





























