前回、「自分の役割から一歩背伸びをする」についてお話しました。今回は「今年の新入社員の傾向と研修のポイント」についてお話します。
今年の新人社員について気になったことを3点申しあげます。
1 声量
昨年の新人社員の傾向と研修のポイントでも触れましたが、今年はまず昨年以上に研修開始の挨拶で声量が出ていないことが気になりました。そのあたりがふわっとしている感じをしばしば受けました。そのような時は「今の声量では、午後5時までしっかり頑張れるのか不安になります。この場に入る人との心合わせも出来ますから、先ほどの2倍の声でもう一度!」とやり直しをお願いします。
特に今年卒業の高校生が新入社員の場合、3年間がほぼコロナ禍での生活でしたから(三蜜を控え会話を控え、しかも黙食!)致し方無いかも知れません。でも社会人になった以上、致し方ないで済ませてしまっていいはずがありません。
新人社員を迎える側の指導者の方も、「新型コロナ」がインフルエンザと同じ「5類」に引き下げられた現在、対面での良い応対は必須です。新人社員の方々に見取稽古をしてもらえるフィードバックが十分出来ているか現場の見直しをなさってください。何故なら一年先輩、二年先輩になる方々も少なからず今年の新人社員同様コロナ禍の影響を受けているからです。
諺の一つとして「朱に交われば赤くなる」がありますが、「朱」は会社・「赤くなる」のは新人社員と私は考えます。さらにいえば、「朱」は会社の風土です。ポリシーや環境をも含むでしょう。新人社員の方々は、会社での教育以前に、その風土に全身浸ることで見取稽古が開始されています。挨拶は明るく元気に言いましょうと言われる前に、挨拶って先輩のように明るく元気にしっかりとした声で言うのですねと自分で感じとるのです。
私事で恐縮ですが、最近声量で感じたことがありました。自宅の近くに4店あるスーパーマーケットの一店に私の好きなチョコレートドリンクが置いてあります。時々買い求めていましたが、ある日突然消えてしまいました。約一ヶ月位チョコレートドリンクなしが続きました。
ある日そのスーパーマーケットに行くと、チョコレートドリンクの棚には他の商品が置かれていました。これは大変と近くにいた店員の方に声をかけ、入荷の予定を伺いました。仕事に慣れてきた頃の雰囲気をお持ちの男性スタッフでしたが、すぐに「わかりました。入れておきます」と答えてくれました。良かったと思いましたが、声が小さくて私は勝手に入荷の確率はフィフティ・フィフティかなと思ってしまいました。申し訳なかったですが、声量で信頼度の数値も変わるのですね。
そして三日後その棚の前に行くと、待望のチョコレートドリンクが並んでいました!もちろん「TPO」によって声量を変える必要はありますが、いつも声が小さめだと評価で損をしてしまうことがあると実感しました。
(お店を出るとき、お客様ご意見箱に「チョコレートドリンクの入荷ありがとうございました」と入れてきました)
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