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第25回(多方面のサービスを提供する)「スキップキッズ」

「社長の繁盛トレンド通信」

◆ スキップキッズ ◆


多方面のサービスを提供する

 




 
 企業の調査用のマジックミラー。
小部屋の中から子どもやお母さんを
観察できる
 

幼児用の遊び場の風景

 

コミュニケーションボード
ここでモニターなどを募集する

  乳幼児用の遊び場の風景
     
 
 
昨年の6月にオープンした東京・西葛西の『スキップ・キッズ』は、子連れを対象にしたカフェだ。
店舗の半分は子供の遊び場になっており、
そこには保育士が子供の人数に応じて一人から三人待機しているので安心だ。
店内には、ファッション誌や育児雑誌などがずらりと並び、さらにパソコンまである。
このカフェで は、子供を遊ばせている間、お母さんたちは、のんびりとできるわけだ。
友人数人で食事やお酒を楽しむグループ、雑誌を読みながらひとりでコーヒーを楽しむ人、
子供に夕食を食べさせにやってきたお父さん…。
みな、思い思いのスタイルで利用している。



同店が開店したきっかけは、親子が楽しめる場が不足していたことだ。
たとえば、ディズニーランドは楽しいが、毎月のように遊びに行くには料金が高すぎる。
水族館や動物園は人気の動物の前は大行列だ。
ショッピングセンターなどの遊び場やキャラクターショップや公園などは、
子供は楽しいが親は、あんまり楽しくない…。
日常的に利用できて、しかも、親子が共に楽しい。そんな場づくりを狙ったという。



「月間何回利用したいか」「どのくらいの距離なら来るか」
「ディナー、ランチ、コーヒーはいくらが希望か」…。
まず、約200名の主婦にアンケートを取り、予測人数と予測客単価を割り出し、
そこから収支に見合う店舗スペースと遊び場のスペースを割り出した。
さらに、世帯数、子供の多さ、公園の少なさから 西葛西への出店を決めた。
狙いは的中し、予測人数の倍の5000人以上が来店するようになった。


ユニークなのは、ここが企業のリサーチの場にもなっていることだ。
店内の一角には、リサーチに必要なマジックミラーが備え付けてある。
同店の経営者の藤代聡さんは、かつてリクルートの社員。
リクルート時代には、子連れの主婦の調査にいつも困っていたという。
モニタールームを備えた会議室は、子供を連れて出か けるのが難しい都心に集中していたからだ。
やっとモニターを確保しても、子供の突然の熱などによるキャンセルは当たり前。
そうなれば代わりの主婦を見つけ るのは至難の業だ。
また、せっかく集まっても、子供の世話に気をとられ、満足な答えを引き出すのも大変だった。



そこで、『スキップ・キッズ』店内にリサーチ用の設備も整えたわけだ。
月5000人、1日当りにすれば160人以上もの主婦が集まるので、
受け付けカウンターや店内のコミュニケーションボード、
それにホームページでモニターやアンケート調査協力者などを募れば、すぐに集まる。
当日ドタキャンがあっても、沢山の主婦が集まっているので、店内の客で補充ができる。
また、遊び場があるから、最初は親子で、その後には、お母さんにじっくり話を聞くといった調査も可能。
調査の精度もぐっと上がるわけだ。企業からの調査需要も順調に伸びている。



ところが、順調に客が増えれば増えるほど、困った問題がでてきた。
それは、客が増えすぎて入りきれなくなったことだ。
オープン後、まもなく店の前にズラリ と行列が恒常的にできるようになり、予約制に切り替えた。
今では、時間帯にもよるが2週間先まで満員だ。
テレビや雑誌で紹介されたこともあり、渋谷や新宿など、遠方からクルマでやってくる親子も少なくないという。



ところで、少子化の進行とともに、どの企業も、両親、祖父母、叔父叔母のポケットから
お金を引き出すのに必死になった。
その結果、ブランド服、グルメ離乳 食、知育玩具をはじめ、子供市場は急速に充実していった。
しかし、両親や祖父母が、子供や孫に尽くすだけで満足できるはずはないだろう。
それは、親の立 場、祖父母の立場になって考えれば、すぐに分かるはずだ。
『スキップキッズ』の人気は、
いいかえれば、多くの企業が、いかに一面しか見ないサービスを提供しているかの現れだといえよう。
こうした潜在需要は、まだまだ眠っているはずだ。
(カデナクリエイト/竹内三保子)


◆ 社長の繁盛トレンドデータ◆


『SKIP KIDS』

東京都江戸川区西葛西4-2-14 SKガーデン西葛西1階

TEL 03-5667-6816

最寄駅 地下鉄東西線 西葛西駅北口より徒歩7分

http://www.skipkids.net

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