少しの長さで 「重厚感」 が変わる
このように、イメージを大きく変えてしまう程、重要なポイントが足元にはあります。
その鍵を握っているのがスーツのズボン丈。
往々にして日本の男性は、長いズボン丈を好まれない傾向にあるようです。
エグゼクティブの方へイメージコンサルティングやメディアトレーニングを行う際、足元を拝見するにつけ
非常に残念に思うこともしばしば。素材も仕立ても良いスーツをお召しになっているのにもかかわらず、
ズボン丈が短い為、経営トップとしてエグゼクティブとしての物足りない印象を
周囲に与えてしまっている事があるのです。
では、何故ズボン丈を短くされているのでしょうか?
その理由をお伺いすると、大抵の方から「動きやすさ」という機能面を重視されている意味合いの答えが
返ってきます。ズボン丈を短めにすれば、当然足にまとわりつく感じが無く、確かに楽かもしれません。
それに勿論経営トップであっても、ビジネスシーンにおいてアクティブに動かなくてはならない場面や、
いざとなった時のフットワークの良さも大変重要です。
しかし、それ以上に重要なのは重厚感のある落ち着いた、揺るがないイメージ。
いつでもどこでも何でも自分で動くのではなく、信頼できる部下を持ち、その人々に任せる度量のある
大きさを表すのも、大切です。
そのゆとりを、ズボン丈の微妙な長さやそれに伴うご自分の立ち居振る舞いで演出できるのです。
これは是非実践していただきたいものです。
1) ズボン丈(前): 靴に当たって、ズボン前側にしっかりワンクッションできる位が目安。
2) ズボン丈(後): 引っ張ってそろえた時、かかとが1cm程度見える丈。
(動いている際には、もっとかかとは見える長さに上がります)
従来、短め丈のズボンを着用されていた方にとっては、随分と長いように思われるかも知れません。
しかし、この長さがもたらす、ほんの少しの足捌きの悪さと、その為に半拍ゆったりする動きは、
経営トップの方に必須の重みのある落ち着いたイメージを演出するエッセンスとなる訳です。
普通に考えれば動きにくい着物を、うまく着こなしている方の無駄の無い所作と同様、ビジネスシーンの正式な
スーツ姿も着こなし、時に軽快に時に重厚感を持って振舞えてこそ、経営のトップ。
服装の基本ルールだけ踏まえれば良いのではなく、それが及ぼす良い影響力「着こなして動く、ご自分の
立ち居振る舞い」までを総合的に計算してこそ、経営者としての一流イメージが成立するのです。
そろそろ春の装いを準備する季節。まずはズボン丈のチェックなど、
現在のご自分のサイズに合った物のご用意を整えてみては如何でしょうか。