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第35回(気軽に学べる場をつくる)「盆さいや」

「社長の繁盛トレンド通信」

◆ 盆さいや◆  


「気軽に学べる場をつくる」

 
 


 

エレベーターを降りると、目の前にいきなり盆栽が。
不思議な空間に誘われる

 

「盆さいや」の店内。現代的なインテリアに、盆栽がしっくりフィットしている

     
 

涼しげな「ハゼ」(3500円)は夏の売れ筋商品。季節に合わせた盆栽が、常時20種類ほど揃っている。1鉢の価格帯の中心は2500~3500円、とお手頃だ

 

話題の「マン盆栽」も置かれている。どんなフィギュアが飾られているかは…来店してご確認を





 
"おじいちゃんの庭いじり"。
そんなイメージがあった「盆栽」が、20から30歳代の間でブームになっている。
ピアスをした若者が、お手軽なミニ盆栽をインテリアとして飾ることは、今や珍しくない。



このブームの火付け役の一つが、東京・恵比寿の「盆さいや」。
盆栽販売店とバーを合体させた"盆栽バー"だ。



この店を経営するのは、盆栽の卸を手がける(有)ボンサイアート。
2001年3月に開店し、現在では、20から30歳代の女性を中心に、若い男性や学生、シニアなど、
幅広い層の客が訪れている。大半はリピーターだそうだ。



マツ、サクラ、モミジ、カエデ…。
店内には、20種類ほどのミニ盆栽が置かれている。
店内は、欧米風のモダンインテリアと和のインテリアを融合させた、今風の雰囲気。
とはいえ、テーブルの上に盆栽とカクテルグラスが同居していると、意外とさまになる。
盆栽が現代のインテリアにも溶け込むことを実感できる。



お酒を飲みながら、盆栽を眺めたり、めでたりしていれば、愛着が湧いてくるものだ。
店に置かれたすべての盆栽は商品であり、客は好きな盆栽を買って帰れる。



ミニ盆栽といっても、盆栽の育て方は難しく、挫折することも多い。
そこで、同店では、「日当たりは良いか」「帰宅は遅いか」と客のライフスタイルを聞きながら、
その人に合った盆栽の選び方や育て方をレクチャーしている。
購入後、分からないことを聞きに来た客にも、気軽に教えている。



客の立場から見れば、何も買わずにアドバイスを求めるのは、少し気が引けるものだ。
しかし、この店だと、タダでアドバイスを求めるわけではないので、気がねが要らない。



また、うまく盆栽を育てられれば、誰かに自慢したくなるものだろう。
実際、盆栽を買った客は、その後も、盆栽持参で何度も来店するという。



こうして「盆さいや」の客は、本物の盆栽ファンに育っていくわけだ。
もちろん、店側から見れば、リピーターを増やすことで、売上が安定する。
だからこそ、競争の激しい恵比寿で、5年間店を続けてこられたのだろう。



「何か習い事をしたい」と考えている人は多いが、一方で、教室に通うのをおっくうに感じる人も多い。
時間に縛られたり、固定的な人間関係に気を遣ったりするのがわずらわしいのだろう。
そんな人にとって、自分のペースで学べるバーは、うってつけの存在であるわけだ。



最近は、盆栽に限らず、日本文化への注目が高まっている。
歌舞伎、能楽、華道、武士道…。潜在需要を掴めそうなアイデアはたくさんありそうだ。


盆さいや

東京都渋谷区恵比寿西2-8-9代官山宝ビルIII 4F

TEL:03-3464-7377

最寄り駅:JR・地下鉄「恵比寿」駅から徒歩5分

URL:http://www.alles.or.jp/~bonsai/

 

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