◆ポポンデッタ◆ 「時流をつかみ、ニーズを満たす」 |
Nゲージ(線路幅9mmの鉄道模型)が、再びブームの兆しを見せている。 直近のブームは20年以上前。 Nゲージは高額なため、どちらかといば大人向けだった。 ところが、その当時はブルートレイン人気で、小学生にまで飛び火したため大ブームとなった。 実は今回のブームの牽引者は、この時の「元・小学生」たちだ。 彼らが30歳を越え、自由に使えるお金が増えたため、再びNゲージコレクションの世界へと舞い戻ってきたわけだ。 秋葉原に店舗を構える『ポポンデッタ』は、この再ブームの立て役者の一つだ。 同店は1999年にネットショップからスタートした中古Nゲージ専門店。 レア物から格安の中古品までを販売し、同時に客からの下取りの受け皿としても機能している。 現在、月の売上げは900万円に及ぶ(ネット販売含む)という。 オーナーは、現在32歳の税理士、太田和伸氏。 彼自身が、まさに再びNゲージの世界に戻ってきた"出戻りコレクター"である。 「私と同じように一旦Nゲージの世界から離れるコレクター、そしてNゲージの世界に舞い戻るコレクターは多い。 そう考えると、今後も中古売買市場は活況になると踏んだわけです。」 (太田代表) もっとも、時流をつかんことだけが『ポポンデッタ』の成功理由ではない。 成功要因の一つは「A~Eの5段階による評価」で、明確に中古品の状態を明記し、 モノにこだわるコレクターたちのニーズを満たしたこと。 そして、もう一つが、Nゲージというマニア向けの店ながらスタッフに「明るく元気な女性」を多く配したことだ。 鉄道模型に限らず、マニア向けの店となると、いかにもマニア然としたスタッフが憮然と座っていることが多い。 ところが、同店のレジ前にいるのは多くが女性たち。 しかもNゲージや鉄道に関する知識はほとんど無い。 ただし彼女たちは皆「聞き上手」だという。 「女性を多く採用したのは、誰にとっても入りやすい店を作りたかったから。 また、お客様は、鉄道やNゲージにものすごく知識とこだわりを持っている方が多い。 店のスタッフにまで同じようなこだわりを持った人間を配すと、 鉄道論議でケンカになることもありえる(笑)。 むしろコレクターの方々は『自分の話を聞いて 欲しい』『教えてやりたい』という欲求があるんです。 これは自分もエンドユーザーだから理解できる」 (太田代表) コレクターやマニア向けの店は、こうした基本的な顧客サービスや接客姿勢ができていないところが少なくない。 「分かる人だけ分かってくれればいい」。そんな意識があるのかもしれない。 一度「鉄道模型マニア」の世界を離れていたこと、また別業界(税理士)で、 経営に関して客観的な視点を持っていたことから、太田代表は、こうした店舗運営法を実践できた。 そして、マニアだけではなく、家族客やカップルにまで客層を広げられたわけだ。 マニアやコレクターを狙ったビジネスでも、やり方次第で、想像以上に大きなパイを掴めるのかもしれない。 (カデナクリエイト/箱田 高樹) ◆社長の繁盛トレンドデータ◆ ポポンデッタ 住所:東京都千代田区外神田3-3-3 最寄り駅:JR秋葉原駅より徒歩7分 TEL:03-5297-5530 FAX:03-5297-5538 http://www.popondetta.com/ |
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